【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?


「二人愛し合った夜、君が寝息を立て始めた頃、鷹が1通の知らせを運んできた。

それは、君も知っての通り、モーリャント王国との戦とーー

団員が負傷したとの知らせだった。

詳細は合流しなければわからなかった。
手紙にあったのはそれだけだったから。

俺は騎士団長として、すぐに団に合流しなければならなくなったが、

君は寝入った所だったし、起こすのも憚られてーー。

急ぎ、メモだけ残した。

これは言い訳になってしまうが、決して君を放置するつもりはなかった。

団に合流したあと、すぐさま宿に人を向かわせる気だったんだ。そいつに、君を王城まで招いてもらおうとしていた。

説明は仕事を終えた後になるが、きちんと俺が王族であることも、番のにおいが判別できていない様子の君に、俺たちが番同士であることも伝える予定だった。

君が俺を受け入れてくれた今なら、番であることも、王族であることも、伝えられると思ったんだ。

その上で、求婚をーー
と考えていた。

そして、君が目を覚ますまでには、使いを出せるだろうと踏んでいた。


だがーー

港で待つ団に合流した時、潜んでいた刺客に薬を嗅がされた。情けないことに、完全に俺のミスだ。

オズウェルが仕込んでいた。
先に負傷の知らせが入っていた団員の怪我も、別の手先によるものだった。

シルヴァとの一件や、陛下からの戦の命を忘れさせたかったのか、時間稼ぎがしたかったのか。

すぐに動いて、吸い込んだのは少量だった。
しかし、捕まえたあと頭がぐらつき、俺は倒れた。

目が覚めたのは三日後の夕方で、
その時には、君との記憶は消えていた。
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