【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

番と出会った感覚はあったんだ。

隣に番の存在がなくて、さらには君との出会いも、姿かたちも、どう過ごしたかも、最後どうわかれたのかも、思い出せなくてーー

心が引きちぎられそうに痛んだから。

なぜそうなったのか確信はなかったが、薬のせいであるのは容易に想像がついた。

今考えてみれば、薬を嗅がされた瞬間脳裏を過ったのは君のことだったーー。それで、君の記憶を封じられたのかもしれない。

目を覚ました翌日、俺は戦に出た。
オズウェルを捕らえた後、追求するとあっさり認めたよ。「毒消しなどない」と言われた時は、崖から突き落とされた気分だった。

だが、俺は諦めなかった。

モーリャント王国に勝利し自国に戻ってから、陛下やマーナガルム様からも情報を集めた。

そして、ラベンダー色の瞳の狼獣人の女性を王国中探した。結局、そんな女性はひとりも居なかった。

君の瞳の色は、我が国でも珍しいのだ。

同時に、王位継承の問題まで激化してーー

追い詰められた俺は、シルヴァを女王にするため、陛下に王命での婚姻を申し出た」


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