【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「.........っ」
全てを聞き終える頃、私は驚きと喜びと後悔と、様々な感情で言葉が紡げなかった。
全部、誤解だった。
私の嘘と、彼の配慮と、不慮の出来事。
絡んだ糸が今やっと解けた。
「ごめん、なさい....」
「いや、これで納得したよ」
「........?」
「君と出会った日、少しばかり違和感を感じて。再会した日は、妙な懐かしさを抱いた。旅の間は魔法薬で姿を誤魔化していたからだったんだな」
「.......申し訳、ありません」
罪悪感と申し訳なさで身を縮めた。
「ははっ、もういい。色々とあったが、また君とこうして出会えたのだから」
そして、彼は私を抱きしめた。
今度こそ身を任せ、私もそろそろと彼の背に腕を回した。
「漸く.....つかまえた。もう離さないから」
「はい....」
「.....あの丘の景色」
「..........?」
「ダンスの夜、君と見た景色と似ていた」
「ええ....実は、私も思っていました」
「君の横顔を見た時、逃したくないと強く思った。記憶は封じられていても、心は君と見た景色も、君のキラキラ輝く表情も、覚えていたんだろうな」
幸せそうに言う彼に、胸がきゅっと疼いた。