【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「それにーー」

「え?」

「君はダンスの夜、なぜ獣人達は仮面をするのか.....意味を知ってるか?」

「いえ....知りませんわ」

「......あのダンスは番を探すためのダンスなんだ」

「番を、探す....」

 私は目をゆるゆると見開く。
 フェンリル様は、なんとも嬉しげに続けた。

「ああ。獣人達は適齢期になれば、番を探す。そして、皆あのダンスに参加する。

俺も参加したことはあるが、出会えなかった。
今となっては、君は隣国に居たのだから納得だが」

「まぁ.....そうだったのですね」

「うむ。そして、仮面をつけた状態で出会った番達は、次に会う約束を交わすーー。

ただし、日付、時間、場所.....
どれか一つだけしか決めていない、不確かな約束だ。

だが、その約束とにおいを頼りに、仮面を外し本来の姿となった番を迎えに行く。

見つけ出せれば、その場で求婚するんだ」

「仮面にはそんな意味が......」

「ああ。俺たちは特殊な出会い方だったし、この約束とはかけ離れた状況だったが.....

君を、見つけ出せた。

だからーー

改めて。結婚しよう?ジャスミン」

 今日、何度目かのプロポーズを受けて、うっすらと視界が滲む。

「......嬉しいです。見つけてくれて、ありがとうございます.....」

「こちらこそ」

「フェンリル様.....」

「ん?」

「大好き.....」

「くっ.....」

 ずっと閉じ込めていた気持ちを解き放つと、
 今度は溢れ出して止まらない。
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