【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

 心のままに、口にした。
 呻き声がして。そっと胸に擦り寄ると、彼の心音が大きくなった。

 上下する喉仏と男性然とした骨格。
 ほどよい厚さの乾いた唇を、赤い舌がペロリと舐める。
 高い鼻梁に、熱を灯す銀の瞳。

 彼の存在を確かめるようにーー
 時間をかけて、視線を滑らせる。

 そうして、ゆっくり.....
 庭の芝に落ちるふたつの影が重なった。

「ジャスミン....」

「.......ん。フェンリル、様....」

 何度も何度も、離れては触れ合う唇にくぐもった声が漏れる。

「......はぁ、すまない。止まらない、もう一度いいだろうか」

 頬を上気させてうっとり呟く彼に、恥ずかしさで瞳が潤んだ。視線をそっと外す。

「ダメだ。俺を見て?.....君の瞳。すごく綺麗だ、ジャスミン」

 耳元で囁いた声はとろりと甘く、ジンと脳髄を震わせた。

 口付けとその蕩けた声音、私を射抜く瞳に呑まれていく。

 唇を優しくなぞる彼の指が離れて、再び熱が近づいてきた時ーー

 コホン、と背後で咳払いが聞こえて、呆れた声がその場に響く。

「申し訳ないが.....そろそろいいだろうか?」




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