【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「ははっ、《《相変わらず》》だな」
「お前もな」
はらはらと見守っていたら、意外にも軽口を叩き合う様子に呆気にとられる。
「で?何をしに来た。ま、大体予想はつくが」
「うむ。ヴォルフ兄から手紙が届いてな。今頃、夫人を迎えに来ているであろう君に、タネ明かしに来たのだ」
「だろうな。お前、知ってたな?ジャスミンが俺の番だって」
フェンリル様は横目でジロリと睨んだ。
その間も、私を隠すように抱きすくめていて、首を伸ばさねば陛下の顔を見ることができない。
ニタリと笑う陛下は、悪い顔をしていた。
「知ってはいない」
「...........」
「だが、ある程度、見当はつけていた」
「やはりな。....どうして気づいた」
「その木だ」
「木?」
陛下は腕を組んだまま、クイッと顎で指し示す。
そこに視線を移すと、青々と若い葉を茂らせる木が植っている。
フェンリル様と森へ種子を採取しに行った日、持ち帰ったものだった。