【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?



「確信はなかったんでな。....まぁ、お前なら自分でチャンスを掴むだろうと《《信じていた》》からな」

 テリウェル陛下が、ニッと笑みを深める。
 フェンリル様は、瞼を重くして呆れた声を出す。

「.......お前、本当に性格悪いぞ」

「ははは、褒めてくれて嬉しいよ」

「褒めてない」

「....結局、いつまで経ってもフェンリルから報告は届かないし、先にヴォルフ兄から真偽を確かめる手紙が届いて、ヤキモキしたぞ」

「なら、さっさと教えろよ」

「君たちが先に仕掛けてきたんだろう」

「はぁ。はいはい。俺らが悪かった」

 フェンリル様は諦めたようにため息を漏らした。

「お前からの提案であることは秘密にしろと、兄上を脅したのか」

「ひと聞きが悪いな。ちょっとばかし、昔の出来事を話題に出しただけさ。私が、モーリャント王国の新国王に即位した時のことをね」

「《《出来事》》じゃなくて、《《恨み》》だろう。それを脅しっていうんだよ」

「ふん。元はと言えば君たち兄弟が私を嵌めたのが悪い」

 テリウェル陛下は、子供みたいに唇を突き出した。
 この二人が何の話をしているのかさっぱりだったが、話は続いていく。

「あれは嵌めたんじゃない」

「どうだかね」

「お前は、先に言ったら逃げるだろう。モーリャント王国のために仕方なく、事後報告にしただけだ」

「それを嵌めたと言うんだ」

「何とでも言え」

 二人睨み合っている。
 フェンリル様の腕の中で私は、二人の顔を交互に見遣った。

◇◆
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