【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
テリウェルは、元々王位に興味がなかった。
才能故に、兄・オズウェルは勝手に弟を目の敵にして、留学へ追いやった。
だが、テリウェルにとってむしろ好都合だった。
これ幸いとばかりに好きなことを学び、自由に知識を深めていた。
そんな中、シルヴァの留学中に起きた一件で、二国間で戦が勃発した。
テリウェルは、全く話を聞かされていなかった。
到底、新国王にまつりあげられるなんて、夢にも思っていなかった。
それが、あっという間に声明が出され、知らぬうちにモーリャント王国の新国王になっていたのだ。
その時点でやっと、ヴォルフやフェンリルから知らせを受けた。
ここまで話が進んでいれば、もう拒否などできまいと諦め、王位に就いた。
「お前なら、どういう経緯で国王となっても....最後は国民のために奔走すると《《信じていた》》からな」
「はぁ。それだよ。....だから、私も《《信じていた》》んだ。確信がなかったから、というのも本当だがな」
「わかっている」
信じていたと言われては、文句を言えなくなったテリウェルは、《《いつものごとく》》フェンリルにやり返した。
君ならチャンスを掴むと信じていたから、と。
友を思う心と、やり返す心とーー
誠に友の力を信じる心。
色々と複雑に絡み合った結果、なんと時間がかかったことかーー。
「くっ、くくく。本当、食えない奴」
「はははっ、君もな」
笑い合って、どうやら和解したらしい二人に、ジャスミンはホッと胸を撫で下ろした。
「まぁ、時間は要したが、想いは通じたんだろう?」
「ああ」
「....改めて、結婚おめでとう。フェンリル」
今度は満足気に笑って、祝福した。
その言葉に、フェンリルはやっとテリウェルに向き直り、心から礼を言った。
「ああ。....世話になった」
ジャスミンは抵抗しても下ろしてもらえず、抱きかかえられたまま「感謝申し上げます」と一緒に頭を下げた。
◇