【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

「ところで、夫人に頼みたいことがあるのだが」

 一段落した所で、テリウェル陛下が神妙な面持ちになった。

「.....直接話しかけるな」

「えっ」

 だが、フェンリル様はまた陛下に背を向け、私を隠してしまう。陛下の残念なものに向けるような声が、こだました。

「フェンリル....。嫉妬深い男は嫌われるぞ」

「っ.....嫌いに、なるか?」

 陛下の言葉に、フェンリル様がうかがうように尋ねてきた。

「え....えっと....嫌い、には....」

「...........」

 二人の視線を感じて狼狽える。
 フェンリル様は縋る目で私を見つめていた。

「.....ならない、ような?」

「っ、うむ」

 決断を迫られ、声を裏返しながら何とか答えると、フェンリル様はパッと耳を立て目を輝かせて、頬擦りしてきた。
 尻尾が、ボフン、ボフン、と横抱きにされている私の腰や足をリズミカルに打っていく。

「.....最初から甘やかしていると、後が大変だぞ、夫人。締めるところは、締めた方がいい」

 呆れ混じりに言われて、何となく意味を察する。私は有り難く助言を受け取って、真面目に頷いた。

 それから、私も陛下と直接お会いできたこのタイミングで、お話ししたいことがあったので、フェンリル様にお願いした。

「フェンリル様。私も陛下とお話ししたいことがございます」

「.....わかった」

 真剣に言い募ると、渋々だが頷いてくれる。

「夫人の話は....もしかして砂漠化についてだろうか?」

「そうなのです。陛下のお話しもでしょうか?」

「ああ。....先に聞いても?」

「はい、もちろんでございます」

 そうして、私は陛下にずっと考えていたことをゆっくりと説明し始めたーー。

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