【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

「フェンリル様が、私の瞳みたいだと贈ってくれたネックレス....」

「.....ああ。とても似合っている。今日のドレス姿にも相応しい」

 フェンリルも、ふっと顔を綻ばせた。
 ジャスミンは彼の銀の瞳を見つめて、心を伝えていく。

「これも、あなたが贈って下さった日から、私の宝物です」

「宝物.....?」

「ええ。あなたは出会ってからずっとーー
私に、沢山の宝物をくれます。

いつも私が、あなたの真っ直ぐな言葉や視点、行動にどれだけ救われているか。きっとあなたは知らないでしょう?」

「俺が.....?」

 ジャスミンは、コクリと深く頷く。
 フェンリルの手を取り、そっと自らのあたたかな心音が響く場所へと導いた。

「あなたにもらったものは、全て。私のここにありますわ」

「............」

「大切にしまってーー
時折思い出しては、私の全身をあたためる。

きっと、これからの人生ずっとーー」

「..........っ」

 フェンリルが息を呑んだ気配がした。

「あなたが大好きですわ、フェンリル様。

人間の私は、獣人のあなたの気持ちを汲み取れない時があるかもしれません。

けれど、そんな時は教えてほしいの。
あなたの気持ちは、どんな気持ちでもーー

私にとって宝物だから」

「ジャスミン....」

 彼女の笑顔は、春の陽光のようだ。
 あたたかくてーー
 どんなフェンリルでもふわりと包み込んでくれる。
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