【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
二人はそっと陛下達の居る場まで歩み寄った。
「兄上、義姉上。テリウェル陛下、それに、シルヴァ様、マーナガルム様。今日は私たちのために、こんな素敵な結婚式を、ありがとう」
「ありがとうございます」
「....おめでとう、二人とも。感無量だぞ」
「もう....陛下ったら、泣き虫ね」
輝かしい姿で、仲睦まじく身を寄せ合い礼を言う光景を見て、ヴォルフ陛下が込み上げる涙を堪えている。
エナメル王妃は、マーナガルムと同じ色彩の髪と瞳を揺らして、夫を見遣る。ハンカチを取り出し、そっと陛下の目元を拭っていた。
今日の結婚式は、ヴォルフ・ユービィスト国王夫妻、シルヴァ王女、マーナガルム王子、テリウェル陛下の計らいだ。
ジャスミンの姿が見えないとサイラスより知らせを受けた日。これから本当の夫婦としてスタートを切るであろうことを予想して、ヴォルフが家族会議を開いた。
やっと両想いとなった二人に、最高の結婚式をーー
そんな思いでの計画だった。
と、国王夫妻が話し終えると、テリウェル陛下が前に出る。
「おめでとう、お二人さん。とても幸せそうで、私は胸がいっぱいだよ」
「感謝申し上げます、テリウェル陛下」
「感謝申し上げますわ」
「よいよい。私は、堅いのは好まない。
そういえば、夫人。
その節は世話になったな。
あれから、順調に掘り進めて、遂に新たな水脈を発見したよ」
「まぁ!良かったですわ」
「やはりすごいな、ジャスミンは。まさか、水脈まで見つけるとは思わなかったよ」
「ただ、そこに植っている木に話を聞いただけですわ」
「それがすごいんだ。植物に博識なだけでなく、植物の声を聞ける魔力まで持っていたなんて。全く、夫人には驚かされてばかりだよ」
フェンリルにも、テリウェル陛下にも、賛辞をおくられ、照れてしまう。