【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
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 この世には、知力を磨く『人間』、魔力を操る『魔法使い』、そして武力に富んだ『獣人』が存在する。


 モーリャント王国から船で三日走った所にある隣国。

 そこは、それぞれの種の特徴を身体に残した獣人達が住まう獣人国・ユービィスト王国だ。

 王妃教育の際、この国に関して深く学んだ。隣国であり、目覚ましい発展を遂げるユービィスト王国とは今後、国交が盛んになるであろうと。


「ここが、ユービィスト王国.....」


 この国の港から二時間ほど乗り合い馬車に揺られて、目的地の王都までやってきた。

 地面に降り立ち、見据える先にはユービィスト王城。
 モーリャント王国の美麗さを意識した白亜の城とは一味違った造りだ。

 赤と茶の壁で、形はまるで要塞。武力に優れた獣人国に相応しい堅牢な雰囲気が漂っていた。

「それにしても、すごいわ。聞き及んでいたけれど、やはりこちらの国の皆様は耳や尻尾があるのね」

 当たり前だが、行き交う人々は皆、獣人だった。

 もちろん港から馬車で30分ほどの距離まではちらほら人間も居たし、モーリャント王国の港でも時折獣人達が出入りしている。

 二国間では貿易も行われているため、船乗りや港への出入りが頻繁にある人間なら、ごくごく見慣れているのかもしれない。

 だからこそ『魔法薬』を飲んで他者からは《《狼獣人に見えている》》この姿で船に乗っても怪しまれなかった。

 でもーー。

 私にとっては、学びはしても実際に会うのは初めてだ。
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