【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「....こ、ここが、あなたのお家?」
「うんっ」
左手をぎゅっと握ってニコニコと上目遣いで見上げる男の子。
さっきぺたりと寝ていた耳はピンと立ち上がり私が話す度にクイッとを向きを変える。髪と同じ淡い金色のフワフワ尻尾は元気を取り戻し、ブンブン空を切っていた。
男の子は『マーナガルム』と名乗った。5歳になったばかりで、時々舌ったらずな喋り方が愛らしい。
どうやら興味の引かれるにおいに釣られて家を抜け出したが、途中でにおいが途切れて気づけば帰り道がわからなくなっていたらしい。
ならばと家の特徴を聞けば、男の子がある方向を見遣って指を指した。それがーー。
「ここって.....ユービィスト王城、よね?」
大きく堅牢な雰囲気漂う立派な城。
そこはまさしくこの地に降り立ったとき仰ぎ見た『ユービィスト王城』だった。
「うんっ、ここが僕のお家だよっ。護衛を呼ぶね。きっと今ごろ僕を探し回ってるから」
「そう、なの......」
片頬が引き攣る。
この身なりにこの家。そして、はなしぶりからして、彼はおそらくーー。
瞬間、自分が置かれた立場を理解した。