【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「君....狼獣人だよね?」
「え.....、あ。は、はい」
「だよね。....ごめん変なことを聞いて。同族なのに」
冷や汗が伝ったが、何とか誤魔化せた。
そしてまた笑み崩れた男性は、幸せそうに言った。
「やっとだ。会えて嬉しいよ」
「............?」
......誰に?マーナガルム様にだろうか。
私を見つめて言う言葉に、一拍置いて首を傾げてしまった。
「え......君もしかして、鼻が?」
彼は再び目を見開いて、うかがう様に尋ねた。
「..............」
聞かれて私はさらに困った。
鼻......?鼻が、なに?
無意識に眉がハの字になっていく。
私の反応を見て、みるみる男性の顔も曇っていった。
次に溢れた言葉はガタイの良さに似合わない、聞き取るのがやっとなほどの消え入りそうなものだった。
「.....それじゃあ」
ーー俺のこともわからない?
「.................」
.....わからない。彼の言っている意味は、噛み砕けばわかるという類ではない気がする。人間の私では汲み取るのは難しいと。
でもいま、彼らには私の姿は同族にうつっているのだ。狼獣人ならば知っていて当然の事柄なら、尋ねればかえって怪しまれる。
「.......そっ、か」
何も言えないでいると表情で察したのだろう。
彼は困った様な、落胆を隠せない様な。悲しげな笑みを見せた。