【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

 フェンリルは王弟でありながら王国騎士団の団長として軍を統率していた。小さい頃から身体能力が群を抜いて高かったフェンリルは、将来臣下にくだることを見越して剣の腕を磨いた。軍を率いて、兄の治める国を他国の脅威から守るためだ。

 彼の的確な判断力と軍をまとめる統率力で、国は平和を保っていられる。


「......これは例えであって彼女に対してそれくらいの気持ちだということです。話を戻しますが、だからこそ、私はただのフェンリルとして彼女と向き合いたい。......彼女を絶対逃したくないのです」

「うむ、言いたいことは理解できた」

 獣人は本能で番を求める。種族によって詳細は異なるが、狼獣人は番と定めたただひとりの相手を生涯愛し抜く種族だ。


 そして、番は甘い花の様な香りに誘われて認識する。
 
 一部、人間や魔法使いとの間に生まれた『混血種』の獣人ならば、稀に番のにおいを嗅ぎ分けられない者もいると聞いた。もしかすると彼女がそうなのだろうか。
< 38 / 134 >

この作品をシェア

pagetop