【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「ミーナはすごいな」
「え?」
目の前のフェンリル様は目を細め、やわらかに笑っていた。蔑みや嘲笑の色は微塵もない。
ただ純粋に感心して、褒めてくれている。
そう感じる、あたたかで優しい笑みだった。
ふわふわと後ろで振れる尻尾が視界にうつる。
「君は植物に関して博識だ」
「......本で、読んだことがあるだけですわ」
声が微かに震えた。
「うむ。その本もかなり読み込んであるのが一目でわかる。もしかして、いつも持ち歩いているのか?」
私はゆっくり頷いた。
「そうか」
ーー君は本と植物が好きなんだな。
フェンリル様が目尻を垂れて言った言葉が、絡まった糸の隙間にじんわり沁みる。
「.....好きです」
ーー私は本と植物が.....とても好きなのです。
気づけばするりと。素直な気持ちが滑り出ていた。
「そうか」
唇は弧を描いたまま満足そうに頷く彼を見て、なぜだか喉の奥が突っ張った。
心を温かなものが包み込み、そっと傷を撫でていく。
「これはなんていう植物なんだ?」
「あ....こ、これはーー」
その後、私たちは無事、太陽の雫を見つけて種子を採取した。
途中、珍しい植物をたくさん見つけて足を止めても、彼は嫌な顔ひとつしない。一緒に観察し、葉や種子を採取して、時々彼が冗談を口にして笑う。
そんな穏やかな時間が流れた。
◇
「え?」
目の前のフェンリル様は目を細め、やわらかに笑っていた。蔑みや嘲笑の色は微塵もない。
ただ純粋に感心して、褒めてくれている。
そう感じる、あたたかで優しい笑みだった。
ふわふわと後ろで振れる尻尾が視界にうつる。
「君は植物に関して博識だ」
「......本で、読んだことがあるだけですわ」
声が微かに震えた。
「うむ。その本もかなり読み込んであるのが一目でわかる。もしかして、いつも持ち歩いているのか?」
私はゆっくり頷いた。
「そうか」
ーー君は本と植物が好きなんだな。
フェンリル様が目尻を垂れて言った言葉が、絡まった糸の隙間にじんわり沁みる。
「.....好きです」
ーー私は本と植物が.....とても好きなのです。
気づけばするりと。素直な気持ちが滑り出ていた。
「そうか」
唇は弧を描いたまま満足そうに頷く彼を見て、なぜだか喉の奥が突っ張った。
心を温かなものが包み込み、そっと傷を撫でていく。
「これはなんていう植物なんだ?」
「あ....こ、これはーー」
その後、私たちは無事、太陽の雫を見つけて種子を採取した。
途中、珍しい植物をたくさん見つけて足を止めても、彼は嫌な顔ひとつしない。一緒に観察し、葉や種子を採取して、時々彼が冗談を口にして笑う。
そんな穏やかな時間が流れた。
◇