【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
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「狼のお嬢さん。これ、新鮮なお肉。そのままでも、炙っても美味しいんだよ。どうだい、お安くしとくよ?」

「まぁ、本当。美味しそうね」

 ガヤガヤ賑わう屋台の通り。
 王都の真ん中からしばらく歩いた場所で

 初めて見る食べ物や工芸品を扱う露店が立ち並ぶ『夜市』が開かれていた。

 鮮やかなオレンジと藍色がグラデーションを描く空の下、胸を躍らせて歩く。



 あの後、フェンリル様は私の気に入ったハーブをすべてプレゼントしてくれた。申し訳なさと嬉しさで、挙動不審になっていたであろう私を見て、彼は満足気だった。

 それから遅めのランチを食べて、私たちは一度宿に戻った。購入したハーブを適切にケアして部屋に置き、あるものをカバンに入れるためだ。再び宿を出る時は本は机に置いたまま出発した。

「皆、楽しそうですね」

「ああ。夜市は王都に住む者にとってワイワイ楽しむ祭りみたいなものだからな」

「へえ」

 私は感心して深く頷いた。

 まさにお祭りの様な雰囲気だ。
 賑やかで、どこか非日常感が漂っていて。

 初めての体験に、嬉々と道の両側に並ぶ露店を見て回る。

 ユービィスト王国で有名なのは、剣だ。
 それからネックレスや指輪、イヤリングなどのアクセサリー類。精緻な彫刻を施したそれらが国の伝統工芸品になっていた。
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