【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

 今日は無性に踊りたい。なんだかすごく.....皆が和気藹々と笑顔で踊る様子に惹きつけられた。


 すると、スッと私の前に差し出された男性然とした、大きな手。


「ミーナ、俺と踊って頂けますか?」

 低く穏やかな、それでいて、やっぱりどこか甘い声音が耳をくすぐる。

「.....はい」

 頬が熱くなるのを感じながら、そっと手を重ねる。

 フェンリル様の手にすっぽり包まれ支えられて。私たちはキャンプファイヤーまで歩いていく。

 近くに立てば炎が機嫌良く踊る音がよりはっきりと耳に届いた。それと比例するように私たちの意識がまわりから切り取られて、二人だけの世界に入り込んでいく。

 現実なのに現実感のない、夢をみている感覚。二人、夢の世界でくるりくるりと踊っている。


 瞳にはお互いの姿しか映っていない。

 炎のあかりに照らされたその姿が、
 あまりに神々しくて

 吸い込まれそう。


 懲りもせずに同じことを思った。
 そんな自分がひどく滑稽で。

 でも多分、これから先何度でも
 私はこの人に同じことを思うのだろう。

 銀の瞳を見つめて、そう思った。





< 52 / 134 >

この作品をシェア

pagetop