【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
今日は無性に踊りたい。なんだかすごく.....皆が和気藹々と笑顔で踊る様子に惹きつけられた。
すると、スッと私の前に差し出された男性然とした、大きな手。
「ミーナ、俺と踊って頂けますか?」
低く穏やかな、それでいて、やっぱりどこか甘い声音が耳をくすぐる。
「.....はい」
頬が熱くなるのを感じながら、そっと手を重ねる。
フェンリル様の手にすっぽり包まれ支えられて。私たちはキャンプファイヤーまで歩いていく。
近くに立てば炎が機嫌良く踊る音がよりはっきりと耳に届いた。それと比例するように私たちの意識がまわりから切り取られて、二人だけの世界に入り込んでいく。
現実なのに現実感のない、夢をみている感覚。二人、夢の世界でくるりくるりと踊っている。
瞳にはお互いの姿しか映っていない。
炎のあかりに照らされたその姿が、
あまりに神々しくて
吸い込まれそう。
懲りもせずに同じことを思った。
そんな自分がひどく滑稽で。
でも多分、これから先何度でも
私はこの人に同じことを思うのだろう。
銀の瞳を見つめて、そう思った。
◇