【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「どういうことですか、陛下!早急に説明をお願いします!」
「ユービィスト王国が攻め入ってくるとは、なぜですか!我が国が一体、彼らに何をしたというのですか!?」
長く伸びた机の周りを、鬼気迫る表情で貴族たちがぐるりと取り囲んでいる。
今朝、それぞれの屋敷に届いた“《《赤い封筒》》“。
その封筒に入っていた国王からの緊急呼び出しの知らせを見て大急ぎでやって来た、王都に暮らす主要貴族たちだ。
その中の一人に、ジャスミンの父、トリス・リーフェント公爵も居た。
皆が目を釣り上げ、我さきにと口を開いて問い詰める。見つめる先は、オズウェル・モーリャント国王ただ一人だ。
「我が息子、コーネルが.....ユービィスト王国 国王の怒りを買った」
いかにも呆然と力尽きた様子で答えた、オズウェル国王に対して、貴族たちの身体がわなわなと震える。
「それだけでは、わかりません!もっと説明を!」
「そうです!説明がなければ状況が掴めず、対策がとれない!!」
「もしそれが本当ならば、今すぐにでも手を打たなければ。我が国は終わります!!隣国と我が国の武力の差を、陛下もご存知でしょう!?」
怒鳴り声とも悲鳴ともつかない声が、広い室内を飛び交う。
普段であれば、国王にこんな口をきく者はいない。
王族に目をつけられれば、この国で、貴族社会で、生き残っていけないからだ。
だが、今日はこの場にいる貴族ほぼ全員が、国王を責め立てる。
そりゃそうだろう。ユービィスト王国が攻め入ってくるとなれば、どのみちモーリャント王国に勝ち目はない。オズウェル国王も、もちろん王妃、王太子も。王族は、ユービィスト王国の軍に捕らえられる。そうなれば、国王でいられるわけがないのだから。