【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「コーネルが連れていた、ジェシカ・トランドル男爵令嬢が......身分を隠して我が国に留学していた、ユービィスト王国 国王の娘、シルヴァ・ユービィスト王女に....許されないことをした」
「シルヴァ・ユービィスト王女?」
「許されないこととは、何ですか!」
「さっさとお話ください!時間がありません!!陛下!」
説明の先を促してまた怒号が飛び交う。
「舞踏会で、王女のドレスにドリンクをかけ、謂れもない罪を着せようとした。会場にいる者たちで王女を嘲笑い、ドレスを安物と馬鹿にした。挙句の果てに、コーネルは令嬢の嘘にも気づかず、一緒になって王女を責め立て、牢にまで入れようとした」
「..........っ」
あまりのことに、全員が押し黙って息を呑んだ。
「しかも、王女の無実を訴えたリーフェント公爵令嬢のことも蔑みひどい言葉を吐いて、信じず、その場で婚約破棄した」
次々と溢れ出る信じられない罪の数々に、貴族達の椅子から上がっていた腰がガタリと落ちる音が聞こえる。
「............っ」
トリス・リーフェント公爵は、娘 ジャスミンの勇気ある行動を改めて心の中で噛み締めた。
同時に、愚かな王太子とトランドル男爵令嬢、オズウェル・モーリャント国王への爆発しそうなほどの怒りに耐えた。
グッと握る手のあまりの力に、掌に爪が痛いほど食い込む。今はその痛みが、今にも国王に掴みかからんとする身体を何とか押しとどめていた。