【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

「......《《それだけじゃない》》」

 国王が続ける。まだあるのかと皆が頭を抱え俯いた。

「その一件があった舞踏会とは別の舞踏会でも、トランドル男爵令嬢は王女に嫌がらせをした。一人で立つ王女にわざとぶつかり転ばせて、その拍子に外れた王女のイヤリングを.....故意に踏み潰し、壊した。そのイヤリングはユービィスト王国ではとても重要な意味のあるものだった。.....コーネルはトランドル男爵令嬢の言い訳を信じ庇護して、王女には謝罪のひとつもしなかった。.....もう取り返しがつかない」

「なんということを.....っ」

 室内にこだまするのは小さな悲鳴と絶望のため息だ。誰もが終わりだと感じていた。

 ユービィスト王国では親元を離れる子供に贈り物をする習慣がある。女の子には飾りのないシンプルなイヤリング。頑張っておいでと子の背を押す親心と魔除けのお守りの意が込められていた。そして、将来つがいが現れた時、つがいから贈られた宝石をそのイヤリングにつけることで、自身の家族とつがいの良好な関係を示すこともできる。
< 63 / 134 >

この作品をシェア

pagetop