【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
*****

 コンコン。

「旦那様。そろそろ休憩なさってはいかがでしょう?」

「ああ、もうそんな時間か。....うむ、少し休むとするか」

 執事服をピシリと着こなす壮年の兎獣人男性。片耳だけ折れた白く長い耳を揺らして、この家の家令、サイラスが執務室のドアをノックした。

 今日は王国騎士団は副団長のケインに任せ、溜まっていた書類を捌くため、屋敷の執務室にこもっていた。

「その方が宜しいかと。お仕事に熱心なのは感心致しますが、働き詰めではお身体が悲鳴をあげます」

 サラリと苦言を呈されて、苦笑する。
 サイラスはもともと城で働いていて、俺が生まれた頃からそばに居た第二の兄的存在だ。

 王位継承の件で息が詰まり、王城には戻らず王族の所有する別邸で過ごすことが多くなれば、家令として支えてくれるようになった。もちろん、婚姻のため準備したこの屋敷でも。

 長い付き合いである分、いつも遠慮なくちくりと物申してくるのだが、これがまた痛い所をついていたりする。

「....わかった。茶を。それから何か軽く食べたい」

「はい。奥様より申しつかって、既にご準備しております」

「彼女から?」

「はい」

「そうか....」
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