【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?


「ふう.....こんな所かしら」

「奥様、そろそろお茶にでも致しませんか?」

「そうね。リリア、準備をお願いできるかしら? その間に私はもう少しこの子を手入れしてあげたいの」

「かしこまりました。すぐに準備して参ります」

「ありがとう」

 屋敷の中へ戻っていくリリアの背を見送って、さわさわと葉が鳴る木の梢を見上げる。隙間から漏れる光に目を細めた。

「とってもいいお天気ね」

 今日は暖かく過ごしやすい。

 フェンリル様にお願いして屋敷の庭をつかわせてもらうようになってから、私は様々な種類のハーブや植物を育てていた。

 今日も朝から肥料を与えたり、雑草を抜いたり。あれやこれやと作業していた。

 瞬間、サァーッと吹き抜けた爽やかな風が、木の葉だけでなく、花壇に根を張った瑞々しい葉を撫でていった。

 その姿にまた目尻が垂れる。

「ふふ、こんなにまっすぐ葉を広げて。庭に植え替えてしばらく元気がなくて心配だったけれど.....何とか持ち堪えてくれて嬉しいわ。お日様をたくさん浴びて、もっと大きくなってね」

 ーーあなたたちには、とっても大切な使命があるんですもの。

 優しく指先で触れて、語りかけた。

『.....ふふふ』

「え?」

 その時、指先から脳に直接伝わってくるような不思議な笑い声がした。

 驚いてきょろきょろ辺りを見回しても、誰も居ない。首を傾げて、じっと自分の指先を見つめてしまう。

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