【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
◇
ジャスミンは今日も庭で花壇の手入れをしている。
その姿を見ながら、深い安息感に包まれる。
時折、眼鏡越しにラベンダーの瞳と目があって。照れたように笑んで、そっと視線を戻す。そんな仕草にも、ほうっと心が蕩ける。
彼女の侍女・リリアが、俺が現れる度にサイラスと同じ顔をして、まるで残念なものでも見る目を向けてくるのは納得いかないが。
ここに来ることはやめられそうもない。
やめたいとも思わない。
「フェンリル様?まだお時間は大丈夫なのですか?」
ああ、この声。
天使が歌うようにふんわりと軽く、耳を撫でていく。
「んー....もう少しだけ」
頬杖をついて、またじっと彼女を見つめる。
離れがたくなって、疲れた時に顔が見たくなって、姿が見えないと探してしまう。
先日贈ったネックレスが、毎日彼女の首元で煌めくのを見て、頬が緩む。
楚々とした笑みを浮かべて頷いたジャスミンだけが、俺の視界を埋め尽くしていく。
「あったかいな」
「ええ。清々しい陽気ですわね」
俺が言った意味を、天気の話だと思い込む様子に癒される。ジャスミンのことを言ったのに。
記憶を封じられてからも、一度番を認識した心と身体は正直だった。
思い出せないのに心は凍えて、寂しさと喪失感に襲われる。本音を言うと、生きていることさえ辛かった。
それが彼女と出会って、懐かしさを覚え、不思議な気持ちを抱いた。
お茶や気遣いのおかげで体調は上向きになり。彼女の穏やかな空気が、心をあたためてくれた。
「今日は肥料はやらないのか?」
「はい。この子達はあまり肥料は必要ないそうです」
「....そうか。確かに水だけでも元気だな」
「そうなのです。今は、水とたっぷりのお日様の光が必要なのです。もうすぐ最後の仕上げの時期がやってくるので、その時に肥料を沢山与えて欲しいそうですわ」
「うむ。なるほど」
植物のこととなると目を輝かせて生き生きと話す姿にも、笑みが溢れる。
話口調が、まるで植物たちと会話しているようなのも愛らしくて.....、とそこまで考えてハタと動きを止める。
愛らしい....? 俺は首を捻った。
ジャスミンは今日も庭で花壇の手入れをしている。
その姿を見ながら、深い安息感に包まれる。
時折、眼鏡越しにラベンダーの瞳と目があって。照れたように笑んで、そっと視線を戻す。そんな仕草にも、ほうっと心が蕩ける。
彼女の侍女・リリアが、俺が現れる度にサイラスと同じ顔をして、まるで残念なものでも見る目を向けてくるのは納得いかないが。
ここに来ることはやめられそうもない。
やめたいとも思わない。
「フェンリル様?まだお時間は大丈夫なのですか?」
ああ、この声。
天使が歌うようにふんわりと軽く、耳を撫でていく。
「んー....もう少しだけ」
頬杖をついて、またじっと彼女を見つめる。
離れがたくなって、疲れた時に顔が見たくなって、姿が見えないと探してしまう。
先日贈ったネックレスが、毎日彼女の首元で煌めくのを見て、頬が緩む。
楚々とした笑みを浮かべて頷いたジャスミンだけが、俺の視界を埋め尽くしていく。
「あったかいな」
「ええ。清々しい陽気ですわね」
俺が言った意味を、天気の話だと思い込む様子に癒される。ジャスミンのことを言ったのに。
記憶を封じられてからも、一度番を認識した心と身体は正直だった。
思い出せないのに心は凍えて、寂しさと喪失感に襲われる。本音を言うと、生きていることさえ辛かった。
それが彼女と出会って、懐かしさを覚え、不思議な気持ちを抱いた。
お茶や気遣いのおかげで体調は上向きになり。彼女の穏やかな空気が、心をあたためてくれた。
「今日は肥料はやらないのか?」
「はい。この子達はあまり肥料は必要ないそうです」
「....そうか。確かに水だけでも元気だな」
「そうなのです。今は、水とたっぷりのお日様の光が必要なのです。もうすぐ最後の仕上げの時期がやってくるので、その時に肥料を沢山与えて欲しいそうですわ」
「うむ。なるほど」
植物のこととなると目を輝かせて生き生きと話す姿にも、笑みが溢れる。
話口調が、まるで植物たちと会話しているようなのも愛らしくて.....、とそこまで考えてハタと動きを止める。
愛らしい....? 俺は首を捻った。