【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「ただいま。ところで、どうしたんだ?こんな時間に。眠れないのか?」
「ええ、少し.....。それに、今夜は冷えますし。花壇が心配で」
「うむ。俺も一緒に行こう」
「そんな。やっとお仕事を終えられたのでしょう? せっかくの余暇時間に申し訳ないですわ」
当然のように横に並ぶ彼に、丁重に断りをいれる。ずっと忙しくしているのだ。ゆっくりして欲しい。
「君と居る方が癒される」
だが、彼は優しく笑ってなんてことない風にサラリと言った。それがどれほど私を喜ばせるかも知らないで。
「そう、ですか....」
「ああ」
公爵家の庭は広い。花壇までの道のりを二人並んで、会話しながらのんびり歩く。
「昼間は....すまなかった。怖がらせただろう? その場で謝れば良かったんだが、少し冷静になりたくてな。夕食も、ひとりにして申し訳なかった」
唐突に謝られて目を丸くする。
「いいえ.....っ、そんな、私が失礼なことをしたから」
「違う。あれは本当に、君が悪いんじゃないんだ。ただ....俺が狭量だっただけだ」
「......?、は、はい」
どういう意味だろうと首を傾げた時、その場を風が吹き抜けた。
「寒くないか?」
夜の冷えた空気にほんの僅かに身を震わせたのを目に留めて、フェンリル様が自身の上着をかけてくれた。