Nocturne(ノクターン)ー美しさは静かに交差する
発表当日

世界に流れるニュース。


今度は歩の番。

世界が彼を称賛する。

そのニュースは、朝7時に世界へ配信された。

【青山不動産 本社ビル再開発プロジェクト
国際コンペ最優秀賞発表】

受賞者――

ayumu miura

ロンドンを拠点に活動する建築家。

画家としても活躍。

最初に評価されたのは絵画作品。

「空間を描く男」と呼ばれていた。

だが彼はずっと言っていた。

「俺は、空間を作りたい」

ロンドンの美術大学で建築デザイン専攻。

芽は出なかった。

模型は評価されず、コンセプトは理解されなかった。

残ったのは、スケッチだけ。

それでも、描き続けた。

“余白のある空間”

光が逃げる場所。

人の感情が滞らない動線。

そして数年後。

青山一等地。

東京の象徴的再開発。

世界的プロジェクト。

そのコンペを勝ち抜いた。

ayumu miura。

――

そして記事の最後にはこう書かれる。

《空間監修にはMino代表・木村希の参加が決定》

一気にざわつく。

2人は同じ高校の美術部出身でかつて恋人だった事が話題になる。

でも。

スキャンダルにならない。

揺らがない。

三人はプロフェッショナル。

順番を変えただけで。

歩は勝った。

旬も勝った。

希も全部手に入れた。

でも誰も奪っていない。

それぞれが、自分の場所で立っている。
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