愛しい君へ〜君が振り向くその日まで〜
そして、次の週の月曜日。
出勤すると、朝から確認しないといけない書類がわたしのデスクの上に溜まっており、午前中は大忙しだった。
それからわたしが休憩に入れたのは、13時を回ってからで、社内にある食堂へ行き、持参したお弁当と出勤途中で買ってきた緑茶を持って空いている椅子に座った。
すると、「お疲れ〜!」と同僚の可奈子(かなこ)が社食を持ってやって来て、わたしの右隣に座った。
「あぁ、可奈子。お疲れ〜。」
「かなりお疲れの様子ですね、笠井主任!」
「だって、デスクの上にあんなに書類が積み重なってるんだもん。もう疲れちゃったよ······。」
「主任ってのは大変だね〜。って、それよりさぁ!土曜日にひより見掛けたんだけど、デートしてたでしょ?!いつの間に彼氏出来てたの?!」
早口で喋る可奈子の言葉に、疲れて回らない頭でついていこうとするわたし。
(土曜日?デート?彼氏?)
「あぁ、土曜日ね。匡か。」
「彼氏めっちゃイケメンじゃん!しかも背も高くてスラッとしてて!」
「あー、違う違う。匡は彼氏じゃなくて、幼馴染。2つ年上でお兄ちゃんみたいな感じ?」
わたしがそう言いながらお弁当箱を開けると、可奈子は「なーんだぁ。」と言って、つまらなさそうな表情を浮かべていた。
「なーんだぁって、何よ。」
「いや、良い感じに見えたからさぁ。やっと仕事人間のひよりに彼氏が出来たんだぁ〜!って思ってたのに。」
「まぁ、仲は良いよ?親同士が仲良くて、小さい頃からの付き合いだから。」
「へぇ〜、いいなぁ。そんなイケメンが幼馴染だなんて!」
「でも、ずっと彼女いないんだよ。」
「マジぃ?!わたし狙っちゃおうかなぁ〜!」
可奈子とそんな会話をしていると、背後から誰かが近付いてくる異様な気配を感じた。
わたしはその気配からふと振り返ってみると、そこにはこの会社の若社長である藤崎怜司(ふじさき れいじ)が立っていたのだ。