魔族@純愛#格差&恋愛物語
「ええ、そうです」

「もっと、ジジィって聞いたけど・・・」

イリスは半分口を開け、本音がポロリと出てしまった。

「フェアリーには、長寿の種族があるのです。
特に、王族の血を引く者は見た目も、年を取りにくいのです」

シオンはふっと、表情をゆるめた。

「あなたは魔族ですね。
そう、魔族からみたら、ひいおじいさんくらいの年齢にあたるから、確かにジジィですが」

はぁ、そーなんだ・・・

「それで、私に何の御用ですか?」

イリスは、驚きのあまり牙を抜かれたようだったが、ここに来た本来の目的を思い出した。

「あの、商売の話で来たんだけど、話を聞いて欲しいデス!!」

イリスはぐいっと、シオンに詰め寄ったのだが、反応がない。

まるで植物が風になびくようで、イリスの意気込みがすり抜けてしまう。

「とりあえず、話を聞きましょう。わざわざ、遠くからお見えになったのですから」

シオンは、少年に手で合図をした。

少年は戸惑いの表情を浮かべながら、扉を大きく開けた。

「それでは、どうぞ、こちらに」

シオンはイリスの横を通り、先に案内するように歩く。

すれ違った時に、月桂樹の香りがイリスの鼻先に触れた。
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