魔族@純愛#格差&恋愛物語
シオンは早口で言い、イリスの腕をひっぱりあげて、神殿の小部屋に連れ込んだ。

「水をこれで拭いてください!!私は薬を準備しますから」

シオンは、びしょぬれのイリスを椅子に座らせ、たたんだ綿布を渡した。

「これで、拭いてください。
そうですね、何か着替える物を持ってきましょう」

「カーチャ、薬の壺とローブをお願いします!」

カーチャと呼ばれた少年は、すぐに立ち去った。

イリスは自分の肩を抱くように、ガタガタ震えはじめた。

「シオン様、これを」

少年が、薬壺を持って来た。

「ああ、顔も腫れてきていますね。」

シオンはイリスのあごに手をかけて、顔の腫れ具合を確認している。

それから薬壺から、どろりとした薄黄色の軟膏を指ですくいとった。

「目をつぶってください。まぶたも腫れがひどくなるから」

目をつぶり、イリスはぺたぺたと軟膏を顔に塗りたくられるまま、じっとしていた。

「かゆいし・・ピリピリするし」

軟膏はハーブの強い匂いがするし、すーすーする。

「がまんしてください」

「寒い・・・」

少年がローブを持って、ドアの所で立っている。

「シオン様ので・・いいですか」
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