魔族@純愛#格差&恋愛物語

イリスの目覚め

<イリスの目覚め>

次に目を覚ました時は、ベッドの中だった。

羽布団の中は暖かく、ぬくぬくして気持ちがいい・・・・

外は、すでに深い闇で覆われて、窓ガラスにランプの明かりが乱反射している。

痛みやかゆみは、だいぶ薄れてはきているが、目はまだ腫れぼったくて開けにくい。

しっかりと布団にくるまれて・・自分の背中に誰かの手がまわっている。

抱き寄せられている?
誰・・・の手?

イリスは体を反転させて、見上げると、シオンが身を投げ出すように、眠っている。


金の髪がほほにかかり、金と緑の長いまつげ、ランプの明かりで陰影が深く刻まれて、それだけで美しい絵画のようだ。

フェアリーのオトコは、本当にきれいなのだな。

視線を少し落とすと、少しはだけた胸元から肩が、意外とたくましく広い。

シオンは緑のフェアリーで、いにしえの王族・・
その末裔と言っていたっけ。

精気はどんな味なのだろう・・

ずいぶんと昔に、フェアリーを食ったことがあったが、無味無臭だった。

たぶん水のフェアリーだったのだろう。

それに、なんで一緒のベッドで、眠っているんだ?

私がこいつを食ったのか・・?

頭がぼんやりしていて、思考の断片がするすると流れ落ちてしまう。

ギシッ

ベッドがきしんで、シオンが半身を起こした。

「ああ、目が覚めましたね、良かった。
体がすごく冷たくなっていて、震えが止まらないようなので心配しました」

シオンはイリスの顔を覗き込み、その額に手をやった。

次に、金に深い緑の混ざる瞳は・・不思議そうに細められた。

「それが、あなたの本来の姿なのですね?」

グゲッ

イリスは起きようとしたが、シオンに両肩を押さえこまれて動けなかった。
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