魔族@純愛#格差&恋愛物語
「でも・・・無理をしていませんか?」

「別に、商売はやりがいがあるし、おもしろいし・・」

イリスは、布団に口を当てて、ぼそぼそと答えた。

「だって、頑張らないと、売れないじゃん」

イリスは、毛布から目だけ出した。

シオンの瞳は金だが、穏やかな夕日のようで優しい・・

なんとなく居心地が悪くて、イリスはまた布団をかぶった。

ランジェリーの経営が、めちゃくちゃ忙しくて、精気を補充する狩りにも行けず、遅くに家に帰って、酒を飲み、寝るだけの毎日。

毎日、毎日、走り続けて・・・・やさぐれていたのは確かだ。

「たまには、休まなくては・・疲れがたまっていたのですね」

シオンは、小さなグラスをイリスの目の前に差し出した。

「どちらにしても、もう遅いので、ここでおやすみください。

これを飲むと、気持ちも楽になります。眠りが深くなりますから」

「酒・・・?」

シオンはフッと笑った。

「薬草リキュールですよ。」

明日の事は、明日考えればいい。

グラスを受け取り、イリスは一気に飲んだ。

「アリガトウゴザイマス」

飲み終わると、イリスは上目づかいにシオンを見た。

その金の瞳は柔らかく弧を描き、微笑んだ。

「おやすみなさい」

その声も、低く余韻を残した。

イリスはグラスを渡すと、すぐに布団にもぐりこんだ。

また、抱かれて眠るのだろうか・・

イリスは「はぁ」と息を吐いて、目を閉じた。

サキュバスは、オトコとやることをやったら、一緒に眠ることはしない。

すぐに、次の狩りに行くからだ。

子ウサギのように、温かい胸の中で、守られるように・・・・抱かれることはないのだ。
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