魔族@純愛#格差&恋愛物語
ポンポンと頭を叩かれ、こども扱いされた。

イリスは少しむかついたが、別の物にすぐに関心が向けられた。

「あれは何?」

たくさんの茶色の小瓶が、窓脇の棚に並んでいる。

「香の材料が入っています。神殿で使う香の調合をするのですよ。

日替わりで、毎日作らなければならないので」

シオンは、乳鉢の粉末を、小さな銀色のふたつきの器に入れた。

「さて、あなたの着る物なのですが・・・・」

ふたをパチンと閉めると、棚から大きな箱を取り出した。

「カーチャの妹の服を借りて来ました。サイズが合うとよいのですが」

そう言って、イリスの目の前に紙箱を置いた。

「私も準備をしますので」

「準備って?」

「あなたを家まで送ります。
でも、魔族領に行くならば、私のこの恰好ではマズイでしょう?」

シオンの金の瞳が、少しせわしそうに動いた。

「着替えたら、廊下で待っていてください。
あと、あなたの服はカーチャの母親に頼んで、アクア殿の屋敷に届けるよう言っておきました」

そう言うと、足早に出て行った。

「ふーーーん」

一人になったイリスは、さっそく机に置かれた箱を開けた。
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