魔族@純愛#格差&恋愛物語
シオンの背からは、トンボのような、虹色に輝く透明な四枚羽が広がった。

それはアラゴンの翼と同じくらい大きい。

シオンはイリスをしっかり抱きしめて、ふわっと飛び上がった。

魔族のように、スピードは出ないが、飛び方が優雅だ。

畑を抜けて、なだらかな丘を飛び越えると、眼下には、フェアリー領と魔族領の境目にある町並みが見えた。

「ここで降りましょう。目立ちますから」

街の城壁の近くで、シオンは降り立った。

イリスは、耳元でささやいた。

「ケーキ食べたい」

「ケーキですか?」

シオンは意外そうな顔をした。

「酒とケーキは別腹なんだけど・・・・」

イリスは耳元で、息を吹きかけるようにささやいた。

フェアリーのオトコを翻弄するのは、楽しい。

サキュバスの、オトコを落とすための遊び心が、だだ漏れている。

「わかりました。どこかで休憩しましょう。靴も買いましょうね」

シオンは、イリスの挑発に動じることなく、表情を変えずに言った。

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