魔族@純愛#格差&恋愛物語
<シオンの拒絶>

イリスのねぐらは、魔族領の中心地、繁華街を少しはずれた共同住宅にある。

「この上だから・・・・いろいろご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」

人影のない裏口の脇で、イリスはオトナ対応で、しっかり頭を下げた。

「それから、もう神殿には来ないでください。

繭や絹の話は、何度来られても、答えは同じですから」

シオンは、いつものように表情を変えず、淡々と言った。

「今日の服は、アクア殿に渡してもらえば大丈夫です。それでは、失礼します」

軽く帽子に手をやると、くるりと背中をむけて、足早に歩いて行く。

少し先に空き地があるから、そこから飛ぶのだろう。

ああ・・・イリスの首にあるツタが、みるみる枯れていく。

イリスは、ウサギの入ったかごを胸に抱いて、泣きそうな声を出した。

「パパ、おいて行かないでよ・・」

部屋に戻ると、たくさんの服と、たばこの吸い殻、雑誌で乱雑に散らばり、床には化粧品や酒瓶が転がっているのが目に入った。

ただ寝るだけのために帰る場所。

その後、イリスは、浴びるように酒を飲み、泥のように眠った。


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