魔族@純愛#格差&恋愛物語

落ち込むイリス

<落ち込むイリス>

翌日の昼下がり。

領主の館の別館で、アクアとランダが次のコレクションの打ち合わせをしていた。

「ね・・だから・・イリス・・?」

「うん・・」

イリスは生返事で、やっと顔をあげた。

目の前には、ピンクのウサギのぬいぐるみの入ったかごが置いてある。

「イリス、大丈夫ですか?ぼんやりしちゃって」

ランダの言葉に、イリスは頭を振った。

「いやぁ、昨日は酒、飲みすぎてさ。へへへ」

薄笑いでごまかしたが、半分は本当で、半分は違う。

「来ないでください」・・・シオンのあの言葉で頭のほとんどを占めている。

強い拒絶、きつい拒否。

ああああああああ・・・・

酒が飲みたい・・・イリスは、またもや机に額をつけた。

「イリス、具合が悪いのならば、他の部屋で休んだらどうですか?」

アクアがショールをイリスの肩にかけながら、言うと

「いやっ・・・だいじょぶだし。濃いコーヒー飲むから」

何とか顔を上げて、自分の頬を叩いたが、また崩れるようにつっぷしてしまった。

「さっき、神官様から、お手紙をいただいたのですけれど・・・・」

その言葉に、イリスは、がばっと身を起こした。

「シオン・・様から!?」

アクアが、サトウカエデの印章のある草木染の封筒をイリスに見せた。
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