魔族@純愛#格差&恋愛物語

イリスの特攻服

<イリスの特攻服>

「フェアリーの女の子が、成人式に着る物ですけど、地味ですか?」

アクアは、クローゼットのハンガーから、柔らかな素材の薄い緑のドレスを手にした。

「神殿に行くのなら、長いスカートのほうがいいし」

また、かぶれたら大変だ、イリスは思い出して腕をぼりぼりかいた。

「試着してみますか?サイズを見た方が」

アクアが声をかけたので、イリスはすぐに衝立の裏側に入った。

足首までの長さのふわっとしたスカート、手首まで覆われた、フリルたっぷりのブラウス。

胸元もフリルでおおわれて、花びらのようだ。

「なんか、いつもとイメージが違いますね。かわいらしいお花のお姫様って感じです」

「サキュバスは、化けるのがうまいんだよ」

イリスは照れくささを隠すために、あえて乱暴な言葉を選んだ。

あいつの好みはたぶん、ロリ系が引っかかっているはず・・・・あたりをつけていた。

子どものアタシを見る目つき・・・

慈しむような、何か深い感情が底に隠されている。

「フェアリーの成人式には髪とスカートに、緑のつたのつるを飾るのですよ」

アクアがつたを手にして、イリスの髪に飾ってくれた。

「口紅はピンクですね。かわいさを出すなら、少し垂れ目気味のメイクがいいかも」

ランダが、手早く化粧パフをはたいた。

「手土産は、はちみつ酒でいいですか?」

「そうだね」

薬草リキュールは、トロリとして甘かったから、シオン様は甘口が好みなのだろう。

「物置に置いてあるので、取ってきますね」

アクアはスカートの裾を翻して、出て行った。
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