魔族@純愛#格差&恋愛物語

アクアの心配

物置は庭の端にある。

棚には夏野菜のピクルス、果実酒、果物のシロップ漬け、ジャム、はちみつの瓶がずらりと並んでいた。

「ええと、はちみつ酒は確か、小瓶に分けたものが・・・」

アクアが棚の一番上に手を伸ばそうとした時、背後から別の手が小瓶をつかんだ。


アクアが振り向くと、アラゴンの深紅の瞳がギラリと光った。

「はちみつ酒か。フェアリー領の酒はまだ飲んでいなかったな」

「だめです!!これは手土産に持っていくので!!」

アクアは、アラゴンの手にある小瓶をつかんだ。

「手土産って?どこにもっていくんだ?」

アラゴンは棚に置いてある、別の小瓶を取って、コルクをひねった。

「神殿の神官様に差し上げるのですが・・・ちょっと心配で」

アクアは瓶のほこりを布でぬぐいながら、物置の隅に置いてある丸椅子に座った。

「心配って?何かあったのか?」

アラゴンも隣に座った。

「イリスが神殿に出入りするのを見て、ドワーフの長老が神官様に文句を言ったようなのです」

「まぁ、こっちでは魔族は嫌われているし、イリスはサキュバスで目立つからな」

アクアは、同意のため息をついた。
< 43 / 57 >

この作品をシェア

pagetop