魔族@純愛#格差&恋愛物語

イリスとアラゴンの対決

玄関の前に立っているイリスは、満開のつる薔薇の花びらを浴びて、所在なさげで陽炎のように見えた。

「よぉ、イリス。お前、神殿に行くのか?」

アラゴンがポケットに両手をいれたまま、声をかけた。

イリスは、風になびく髪を手で押さえながら、感情を見せないように低い声で答えた。

「そう、ビジネス、お仕事だからね」

「それだけじゃないだろ?好きな奴に会いにいくんじゃないか?
相手はフェアリーか?」

アクアは物置の影で、ハラハラして二人を見ていた。

ああ、まったく、アラゴンはデリカシーがなく、直球をすぐに投げてしまう!!


「アラゴン、アンタにはかんけーねぇぜ」

イリスは内心びくつきながらも、平静を装って、いつもの態度に戻った。

「神殿の奴ならやめておけ。フェアリー神殿は特別なんだぞ。
神官は王族の血筋の奴しかなれない。
お前が、相手にできる相手じゃねぇ」

イリスの唇の端が震え、紫の瞳に炎が宿った。

「はぁ?それじゃ、なに?サキュバスじゃだめってことは、魔王の娘ならOKだってこと?」

そう、アラゴンとつがいになっていれば、魔王の義理の娘になっていたのだ。

「そうじゃない!魔族がフェアリーの王族と関わると、色々なところで地雷を踏むことになるんだ!!」

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