魔族@純愛#格差&恋愛物語
イリスのテンションが一気に下がったのを見て、アクアは少し困ったように、

「フェアリー領での絹の調達は、難しいですよね」

バーーーン

その時、いきなり部屋のドアが、蹴とばしたかのように開いた。

「アクア、キアラちゃんはいるかぁ」

上機嫌のアラゴンが、勢いよく入って来た。

魔族領からとばしてきたのだろう、髪が相当に乱れている。

顔をしかめたアクアは、アラゴンをいさめるように、胸の前で×印を作った。

「ちゃんと、手を洗ってきてくださいましたか?」

アラゴンは、自分の手を見てから、口を歪めてもごもごしたが

「んーー。洗ってくる」

そう言うと、すぐに身を翻して扉を閉めた。

「ちゃんと、パパしてんだぁ」

イリスは、クククと笑って言った。

魔界のアラゴンは威圧的なのに、アクアと子どもの前ではまったく腰砕けパパになっている。

「キアラちゃんは、パパが大好きなのですよ。煙草もやめてくれたし」

それは嘘だ・・・イリスは、またクククと笑った。

アクアの子どもを抱っこした左手の薬指に、金の指輪が光る。

あの指輪の裏側には、アラゴンの紋章が刻印されている。

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