天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
風見先生の下の名前!?
やばい、風見先生の下の名前ってなんだっけ?
わからない。医師名簿を思い出せ。
必死に思い出そうとしているけれど、全く思い出せそうにない。
私が無言でいたからか
「まさか。俺の名前がわからないってことはないよな?」
信号で待っている間、見つめられた。
素直に言うべき?
何度か瞬きをしていると
「俺、まだ光藤さんに名前も覚えてもらえないほど小さい存在だったんだな」
先生が怒らないで悲しそうにそんなことを言うから
「すみませんっ!名前、わからないです。だけど、先生の存在が小さいわけではありません。先生と過ごすうちに大きな存在になってます」
胸の内を伝えてしまった。
先生は
「……。透空。透き通る空って書いて、透空だから」
名前を教えてくれた。
「すごく素敵な名前ですね」
透き通る空か。そうだな、先生はなんだか空みたい。
気まぐれで自由に動く雲みたいな時もあれば、広く受けとめてくれる心を持っているから。
「ありがとう。《《雫羽》》」
「いえ。本当のこと……」
あれ、今、先生、私のことも《《名前》》で呼ばなかった?
「今日は完全プライベートだから。俺の呼びたい名前で呼ぶ」
嫌だなんて言わせない雰囲気だ。
「はい。わかりました」
ショッピングモールが併設している水族館に到着する。
発券所に行くと混雑していた。順番で案内しているらしい。
「混んでますね」
私が発券所に行こうとすると
「こっち」
先生はさりげなく私の手を繋ぎ
「チケットあるから」
電子チケットの入場口へ案内してくれた。
「あの、風見先生、違う。透空さん。事前に買っておいてくれたんですか?」
忙しいのに。寝る時間もきちんとあるのかどうかわからない人なのに、考えてくれてたの?
「そんなの当たり前だろ」
透空さんがギュッと手を握ってくれたような気がした。
透空さんにとっては当たり前かもしれないけれど、私にとっては違う。
「ありがとうございます」
何のお礼だ?と言わんばかりに、先生は首を傾げた。
透空さんは私の手を離してはくれず、ずっと手を繋いでいる。
手汗とか、どうしよう。緊張する。
チラッと透空さんの方を見る。
彼はいつもと変わらない表情、普通だ。女性の扱い、慣れているのかな。絶対昔からモテてたよね。
「どうした?」
「昔からモテてたんだろうなって。女性の扱い慣れているので、そんなことを思いました」
思ったことを素直に言っちゃった。
「モテたのは本当だけど。慣れてない。恋愛なんて興味なかった。雫羽だからだよ。こんなことするのは」
薄暗い照明、雰囲気が彼の言葉を重くする。
困った、返事ができない。
無言で順路を回っているけれど、こんな状態なのに彼は楽しいと感じてくれているのかな。
私、気の利いたこと言えない。
それにあんなこと言っちゃって、不快に感じさせちゃった?
「あ、可愛い」
外に出て、ペンギン島を見ていると自然と言葉が出た。
「歩き方、可愛いよな」
透空さんはクスっと笑っている。
「透空さん、私と一緒にいて楽しいですか?」
また疑問みたいな質問しちゃった。
「楽しいよ。一緒にいるだけで嬉しいって言っただろ。別に無言の時間があっても良いと思ってる。俺の前では自然体でいてほしい。気を遣う必要なんてないから」
いや、それは気を遣うよ。あの風見先生なんだから。
手まで繋いでいるけれど、夢みたいだもん。
やばい、風見先生の下の名前ってなんだっけ?
わからない。医師名簿を思い出せ。
必死に思い出そうとしているけれど、全く思い出せそうにない。
私が無言でいたからか
「まさか。俺の名前がわからないってことはないよな?」
信号で待っている間、見つめられた。
素直に言うべき?
何度か瞬きをしていると
「俺、まだ光藤さんに名前も覚えてもらえないほど小さい存在だったんだな」
先生が怒らないで悲しそうにそんなことを言うから
「すみませんっ!名前、わからないです。だけど、先生の存在が小さいわけではありません。先生と過ごすうちに大きな存在になってます」
胸の内を伝えてしまった。
先生は
「……。透空。透き通る空って書いて、透空だから」
名前を教えてくれた。
「すごく素敵な名前ですね」
透き通る空か。そうだな、先生はなんだか空みたい。
気まぐれで自由に動く雲みたいな時もあれば、広く受けとめてくれる心を持っているから。
「ありがとう。《《雫羽》》」
「いえ。本当のこと……」
あれ、今、先生、私のことも《《名前》》で呼ばなかった?
「今日は完全プライベートだから。俺の呼びたい名前で呼ぶ」
嫌だなんて言わせない雰囲気だ。
「はい。わかりました」
ショッピングモールが併設している水族館に到着する。
発券所に行くと混雑していた。順番で案内しているらしい。
「混んでますね」
私が発券所に行こうとすると
「こっち」
先生はさりげなく私の手を繋ぎ
「チケットあるから」
電子チケットの入場口へ案内してくれた。
「あの、風見先生、違う。透空さん。事前に買っておいてくれたんですか?」
忙しいのに。寝る時間もきちんとあるのかどうかわからない人なのに、考えてくれてたの?
「そんなの当たり前だろ」
透空さんがギュッと手を握ってくれたような気がした。
透空さんにとっては当たり前かもしれないけれど、私にとっては違う。
「ありがとうございます」
何のお礼だ?と言わんばかりに、先生は首を傾げた。
透空さんは私の手を離してはくれず、ずっと手を繋いでいる。
手汗とか、どうしよう。緊張する。
チラッと透空さんの方を見る。
彼はいつもと変わらない表情、普通だ。女性の扱い、慣れているのかな。絶対昔からモテてたよね。
「どうした?」
「昔からモテてたんだろうなって。女性の扱い慣れているので、そんなことを思いました」
思ったことを素直に言っちゃった。
「モテたのは本当だけど。慣れてない。恋愛なんて興味なかった。雫羽だからだよ。こんなことするのは」
薄暗い照明、雰囲気が彼の言葉を重くする。
困った、返事ができない。
無言で順路を回っているけれど、こんな状態なのに彼は楽しいと感じてくれているのかな。
私、気の利いたこと言えない。
それにあんなこと言っちゃって、不快に感じさせちゃった?
「あ、可愛い」
外に出て、ペンギン島を見ていると自然と言葉が出た。
「歩き方、可愛いよな」
透空さんはクスっと笑っている。
「透空さん、私と一緒にいて楽しいですか?」
また疑問みたいな質問しちゃった。
「楽しいよ。一緒にいるだけで嬉しいって言っただろ。別に無言の時間があっても良いと思ってる。俺の前では自然体でいてほしい。気を遣う必要なんてないから」
いや、それは気を遣うよ。あの風見先生なんだから。
手まで繋いでいるけれど、夢みたいだもん。