天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
夢(風見透空)side
「雫羽?」
すぅっと雫羽の寝息が聞こえる。
俺より早く寝ちゃったのか。
寝てくれるってことは、俺に対して安心してくれているから?
最近彼女も疲れていただろう。いろんなことに巻き込まれて。俺なんかに求愛されて。
ギュッと手を握ってくれたかと思ったら、彼女は寝ていた。
いや。逆に緊張せずに寝るってことは、恋愛対象に俺はまだ入っていないのか?
男女でベッドの中、考えてしまうのは大人の関係だ。
まぁ、いいか。今日はそれで。
今は彼女の寝顔を見ることができただけでも良しとするか。
少しだけモヤモヤしてしまった俺は、軽く彼女の頬にキスをした。
が、彼女は起きる気配がない。
その姿にフッと笑ってしまう。
「おやすみ」
小声で声をかけ、俺も目を閉じた。
・・・―――
「アニル様、どうしてですか?なぜお話もできないんですか!?」
「こら、失礼だぞ。アニル様から離れろ!」
これは、夢の中か。
アニルってたしか、雫羽が言っていた前世の男のはず。
目の前に涙を流している女性がいる。
名前、この子の名前はなんて言った?思い出せない。
俺はこんな民族衣装のようなものを着て、何をしているんだ?
腕にしがみついたままの女性をどう扱ってよいのかわからない。
従者らしい男が俺から離れるように、必死になって女性を引っ張っている。
そんなに引っ張っては女の子が痛いだろう。可哀想だ。
俺はやめるように声を出そうとしたが、声が出ない。
そうか。ここが夢の中だからか。
すると俺の身体が勝手に動き、彼女を振り払い
「下がれ」
冷たい声音で告げた。
彼女は瞳を大きくさせ、涙を流しながら唇を固く結び、下を向きうずくまる。
「行くぞ」
何事もなかったかのように、従者へ告げ、歩き出す。
冷たい男だ。
俺みたいに必要じゃないもの以外、興味がないのか。
<……。すまない。こうしないと、お前がさらに酷い目に遭ってしまうかもしれない……。また絶対会いにくる。だから信じて待っていてくれ……>
これがこの男の本音なのか。
従者に知られないよう、他にも見ている家臣がいる。それに女も多い。
そいつらに本心を悟られないように、わざとこの子に冷たくしたのか。
けれど、この子はそんな気持ちに全く気づいていないようだ。
涙が印象的で……。
そうだ、雫羽に似てるんだ。
どうしてこんな夢を、映画の中のワンシーンに魂だけいるみたいだ。
身体は言うことを聞かないのに、意識だけがある。
うずくまっている彼女から目が離せない。
どうか、この男の真意をわかってやってほしい。
心の奥底では、この男はキミのことを一番に愛して……!
・・・---
「透空さん、大丈夫ですか?」
ハッと息を飲み、目を開ける。
ここは、俺の部屋か。
隣には雫羽が心配そうな顔をして俺を見ている。
「なんだかうなされていて、苦しそうだったので。起こしちゃいました。すみません。私、お水取ってきますね」
ベッドから降りようとしている雫羽の腕を掴み、引き寄せた。
「透空さん?大丈夫ですか?」
思わずギュッと力強く抱きしめてしまった。
良かった。雫羽はここにいる。どこにも行っていない。
どうしてか、雫羽が遠いところに行ってしまった気がして、急に不安を覚えた。
「どうしたんですか?」
耳元で雫羽の声がする。
顔を見ようとスッと身体を引いて、彼女を見つめた。
キョトンとしている雫羽がいる。
「なんか変な夢を見た。俺ではない俺がいて。大切な人に本心を伝えられなくて。苦しくて。起きたら雫羽もいなくなっているんじゃないかって思って、怖かった」
夢、なんて普段はあまり見ないんだけどな。
雫羽の家で夢を見た以来か。
「そうだったんですか。やっぱり疲れてるんですよ。私はここにいます。約束しましたから」
彼女は俺の乱れた髪の毛に触れ、サラっと直してくれた。
フフッと笑う雫羽の顔がたまらなく愛おしくて――。
「っ……。ん……」
雫羽の肩を掴み、自分からキスをしていた。
「んっ……。はぁっ……」
雫羽の漏れる吐息に刺激され、俺は思わず彼女を押し倒してしまった。
すぅっと雫羽の寝息が聞こえる。
俺より早く寝ちゃったのか。
寝てくれるってことは、俺に対して安心してくれているから?
最近彼女も疲れていただろう。いろんなことに巻き込まれて。俺なんかに求愛されて。
ギュッと手を握ってくれたかと思ったら、彼女は寝ていた。
いや。逆に緊張せずに寝るってことは、恋愛対象に俺はまだ入っていないのか?
男女でベッドの中、考えてしまうのは大人の関係だ。
まぁ、いいか。今日はそれで。
今は彼女の寝顔を見ることができただけでも良しとするか。
少しだけモヤモヤしてしまった俺は、軽く彼女の頬にキスをした。
が、彼女は起きる気配がない。
その姿にフッと笑ってしまう。
「おやすみ」
小声で声をかけ、俺も目を閉じた。
・・・―――
「アニル様、どうしてですか?なぜお話もできないんですか!?」
「こら、失礼だぞ。アニル様から離れろ!」
これは、夢の中か。
アニルってたしか、雫羽が言っていた前世の男のはず。
目の前に涙を流している女性がいる。
名前、この子の名前はなんて言った?思い出せない。
俺はこんな民族衣装のようなものを着て、何をしているんだ?
腕にしがみついたままの女性をどう扱ってよいのかわからない。
従者らしい男が俺から離れるように、必死になって女性を引っ張っている。
そんなに引っ張っては女の子が痛いだろう。可哀想だ。
俺はやめるように声を出そうとしたが、声が出ない。
そうか。ここが夢の中だからか。
すると俺の身体が勝手に動き、彼女を振り払い
「下がれ」
冷たい声音で告げた。
彼女は瞳を大きくさせ、涙を流しながら唇を固く結び、下を向きうずくまる。
「行くぞ」
何事もなかったかのように、従者へ告げ、歩き出す。
冷たい男だ。
俺みたいに必要じゃないもの以外、興味がないのか。
<……。すまない。こうしないと、お前がさらに酷い目に遭ってしまうかもしれない……。また絶対会いにくる。だから信じて待っていてくれ……>
これがこの男の本音なのか。
従者に知られないよう、他にも見ている家臣がいる。それに女も多い。
そいつらに本心を悟られないように、わざとこの子に冷たくしたのか。
けれど、この子はそんな気持ちに全く気づいていないようだ。
涙が印象的で……。
そうだ、雫羽に似てるんだ。
どうしてこんな夢を、映画の中のワンシーンに魂だけいるみたいだ。
身体は言うことを聞かないのに、意識だけがある。
うずくまっている彼女から目が離せない。
どうか、この男の真意をわかってやってほしい。
心の奥底では、この男はキミのことを一番に愛して……!
・・・---
「透空さん、大丈夫ですか?」
ハッと息を飲み、目を開ける。
ここは、俺の部屋か。
隣には雫羽が心配そうな顔をして俺を見ている。
「なんだかうなされていて、苦しそうだったので。起こしちゃいました。すみません。私、お水取ってきますね」
ベッドから降りようとしている雫羽の腕を掴み、引き寄せた。
「透空さん?大丈夫ですか?」
思わずギュッと力強く抱きしめてしまった。
良かった。雫羽はここにいる。どこにも行っていない。
どうしてか、雫羽が遠いところに行ってしまった気がして、急に不安を覚えた。
「どうしたんですか?」
耳元で雫羽の声がする。
顔を見ようとスッと身体を引いて、彼女を見つめた。
キョトンとしている雫羽がいる。
「なんか変な夢を見た。俺ではない俺がいて。大切な人に本心を伝えられなくて。苦しくて。起きたら雫羽もいなくなっているんじゃないかって思って、怖かった」
夢、なんて普段はあまり見ないんだけどな。
雫羽の家で夢を見た以来か。
「そうだったんですか。やっぱり疲れてるんですよ。私はここにいます。約束しましたから」
彼女は俺の乱れた髪の毛に触れ、サラっと直してくれた。
フフッと笑う雫羽の顔がたまらなく愛おしくて――。
「っ……。ん……」
雫羽の肩を掴み、自分からキスをしていた。
「んっ……。はぁっ……」
雫羽の漏れる吐息に刺激され、俺は思わず彼女を押し倒してしまった。