天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
 部署関係なく、病院の職員を集めての食事会がある。
 ちょっとした景品が当たるミニゲームもある。親睦会みたいなものだ。
 医師も看護師も事務員も関係ない。そこで出会いを探すって人もいるくらい。ホテルの会場を借りての大きなイベントだ。

「えっ。そんな行事あったか?」

「透空さんは忙しいから、出席したことないんじゃないですか?」

 みんなの前で呼ぶときは<風見先生>で、二人きりの時は下の名前で呼ぶようにしている。
 病院の中では一律<風見先生で良いんじゃないか?って思ったけれど、透空さんが二人きりの時くらいいいだろって嫌がった。

「覚えがない」

 透空さんって病院のスタッフ同士の交流会とか興味なさそう。
 回覧とかあっても必要事項以外無視していそうだな。

「雫羽が出るんなら、俺も出席する。酒の席だろ?他の男が寄ってきたら困る」

 ええっ。珍しい。

「大丈夫です。私なんかに興味ある人なんて……」

「お前、自分が思っているより綺麗なんだから、自覚した方が良いぞ?」

 真剣な眼差しで透空さんがそう言うから、反論できなくなる。
 私、透空さんと付き合うようになって、もっと可愛くなりたい、綺麗になりたいって思うようになった。
 だから、前以上にメイクだったり美容だったりには気を遣ってる。
 私のせいで透空さんのイメージが悪くなるのは嫌だから。
 
 もしかして気づいてくれてた?

「俺、前にも言ったけど、はじめて見た時から綺麗だって思ったから」

 ああ、それは前からの話か。それでもいいか。
 前の私でも褒めてくれているんだから。

「それに最近、また綺麗になった。前も綺麗だって感じてたけど。だけど、もっときちんと食べろよ。昔より痩せただろ?」

 すごい、当たっている。優馬のことがあって一時的に食欲がなかった。それに今はダイエットもしている。

「まさか俺のために痩せたとか言わないよな。俺はどんな雫羽でも好きだし、一番は健康であってほしいから。無理はするなよ」

 ぷにっと頬をつつかれる。

「無理しているようなら、家に居る時に触診するぞ。ああ、いやらしい意味じゃなくて。身体が心配だからな」

 透空さんのことだから本当にしそうだ。

「透空さんは良いですよ。カッコ良いし、スタイルも良い。おまけに頭も良いし、仕事もできるんだから」

「……。すごく褒めてくれるな。まぁ、その通りだけど」

 羨ましい、少しは分けてもらいたいよ。

「今度、休みが一緒の時がくるだろ?どこか行かないか?家でもいいけど。一緒にいたい」

 そうだ、スケジュールを見たら、休日が合う時があった。たしか、その食事会の次の日だった気がする。ていうか、一緒にいたいって躊躇なく言えるところもすごい。

「はい。行きます」

「いつも美味しい弁当ごちそうになってるから。雫羽が好きなものとか、行きたいところとかあったら連れて行くから。考えておいて」

 大したもの作っていないのに。
 忙しいのに考えてくれているんだ。
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