天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
「すみません。転んじゃって。大丈夫です。ただ、靴が壊れちゃって」
替わりの靴なんて持っていない。
「本当だ。これじゃあ、歩けないね。裸足だともしガラスとかあったら刺さっちゃうよ。俺、おんぶしてあげるから。近くまで買いに行こうか?」
「ええっ。いいです。大丈夫です。なんとかしますから」
私は拒否しようとしたけれど、高木先生は
「いいから、いいから」
そう言って強引に
「きゃあ」
私をおんぶどころではなく、持ち上げた。
お姫様だっこされてる!
「先生、降ろしてくださいっ!」
私の言葉なんて聞いてくれず、高木先生は楽しそうにハハッと笑っている。
どうしよう。こんなところを透空さんに見られたら――。
「おい、高木先生!雫羽に何してんの?」
会場から一歩出たところで、透空さんとばったり会ってしまった。
「透空……。風見先生っ?」
きっと透空さんだってきちんと説明すれば、わかってくれる。
こんな体勢、ただでさえ目立っているのに。早くこの場から去りたい。
<見て見て!?>
なんて声も聞こえてくる。
「あの、これはっ!靴が壊れてっ」
「風見先生ってそんな顔することあるんだ。びっくり。《《雫羽ちゃんのことが》》本当に好きなんだね」
高木先生はハハッと呑気に笑っているけれど、透空さんになんか喧嘩を売っているみたい。
「いいから早く渡せ!」
透空さんは強引に高木先生から私を引き離し、そのまま同じように抱きかかえた。
「降ろしてっ……」
「そんな乱暴しなくていいだろ?雫羽ちゃんだって困ってるじゃん」
「名前で呼ぶな」
二人は見つめあっている、というか、睨みあっている気がするけれど、仲が良いんじゃなかったの?
私はそのまま透空さんにホテルのロビーへ連れて行かれた。
「あの、透空さん。もうすぐ会が終わりでその引継ぎをしなきゃいけないんです。先輩たちに迷惑かけちゃう」
片づけはホテル側だけど、忘れ物がないかとかホテル側に支払いとかまだ係としてやることが残っている。
私の言葉を聞き
「ちょっと待ってろ」
私をロビーのソファへ降ろすと、彼は会場方向へ戻って行った。
私も戻った方がいいのかな。
いや、この靴で戻ったら逆に気を遣われるし、透空さんに待ってろって言われちゃった。
しばらくするとこちらに歩いてくる透空さんの姿が見えた。
「係に事情を話してきた。別に大した仕事はこのあとないから、雫羽は帰っていいって言われたぞ」
それは、相談してきたのがあの風見先生だからじゃない?
先輩たちも気を遣ったんじゃないの?
「だから、このまま帰る」
「えっ」
透空さんは私のことをひょいっと軽々と持ち上げた。
そしてホテルから出て、タクシーを拾う。
「すみません。靴売ってそうな店までお願いします」
「はぁ……?ディスカウントストアとかで良いでしょうか?」
「はい」
タクシーの中、透空さんは何も話してはくれない。
「よく間に合いましたね?」
私が声をかけるも
「ああ」
その二言だけ。
怒ってるんだ。
チラッと表情見たけれど、眉間にシワが寄ってる。
明らかに機嫌が悪そう。
替わりの靴なんて持っていない。
「本当だ。これじゃあ、歩けないね。裸足だともしガラスとかあったら刺さっちゃうよ。俺、おんぶしてあげるから。近くまで買いに行こうか?」
「ええっ。いいです。大丈夫です。なんとかしますから」
私は拒否しようとしたけれど、高木先生は
「いいから、いいから」
そう言って強引に
「きゃあ」
私をおんぶどころではなく、持ち上げた。
お姫様だっこされてる!
「先生、降ろしてくださいっ!」
私の言葉なんて聞いてくれず、高木先生は楽しそうにハハッと笑っている。
どうしよう。こんなところを透空さんに見られたら――。
「おい、高木先生!雫羽に何してんの?」
会場から一歩出たところで、透空さんとばったり会ってしまった。
「透空……。風見先生っ?」
きっと透空さんだってきちんと説明すれば、わかってくれる。
こんな体勢、ただでさえ目立っているのに。早くこの場から去りたい。
<見て見て!?>
なんて声も聞こえてくる。
「あの、これはっ!靴が壊れてっ」
「風見先生ってそんな顔することあるんだ。びっくり。《《雫羽ちゃんのことが》》本当に好きなんだね」
高木先生はハハッと呑気に笑っているけれど、透空さんになんか喧嘩を売っているみたい。
「いいから早く渡せ!」
透空さんは強引に高木先生から私を引き離し、そのまま同じように抱きかかえた。
「降ろしてっ……」
「そんな乱暴しなくていいだろ?雫羽ちゃんだって困ってるじゃん」
「名前で呼ぶな」
二人は見つめあっている、というか、睨みあっている気がするけれど、仲が良いんじゃなかったの?
私はそのまま透空さんにホテルのロビーへ連れて行かれた。
「あの、透空さん。もうすぐ会が終わりでその引継ぎをしなきゃいけないんです。先輩たちに迷惑かけちゃう」
片づけはホテル側だけど、忘れ物がないかとかホテル側に支払いとかまだ係としてやることが残っている。
私の言葉を聞き
「ちょっと待ってろ」
私をロビーのソファへ降ろすと、彼は会場方向へ戻って行った。
私も戻った方がいいのかな。
いや、この靴で戻ったら逆に気を遣われるし、透空さんに待ってろって言われちゃった。
しばらくするとこちらに歩いてくる透空さんの姿が見えた。
「係に事情を話してきた。別に大した仕事はこのあとないから、雫羽は帰っていいって言われたぞ」
それは、相談してきたのがあの風見先生だからじゃない?
先輩たちも気を遣ったんじゃないの?
「だから、このまま帰る」
「えっ」
透空さんは私のことをひょいっと軽々と持ち上げた。
そしてホテルから出て、タクシーを拾う。
「すみません。靴売ってそうな店までお願いします」
「はぁ……?ディスカウントストアとかで良いでしょうか?」
「はい」
タクシーの中、透空さんは何も話してはくれない。
「よく間に合いましたね?」
私が声をかけるも
「ああ」
その二言だけ。
怒ってるんだ。
チラッと表情見たけれど、眉間にシワが寄ってる。
明らかに機嫌が悪そう。