天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
「雫羽。もう高木と関わるな」

「えっと、関わるなって……」

 高木先生と仲良くするつもりはない。
 業務上、やり取りしなきゃいけない場面は出てくるだろうけど。
 ずっと話さないわけにはいかないから、これってどういう返事が正解なんだろう。

 うーんと考えていると
「どうして返事しないんだ?」
 透空さんと至近距離で目が合う。

 これって、ちょっと怒っている?

「あのっ、透空さんっ!?」

 返答に困っていると、彼は私をソファの上に押し倒し
「高木のこと好きなの?」
 耳元で極端すぎることを問いかけられた。

「いや、あの。好きじゃないです」

 私の返事に彼はムッと口を結び
「雫羽は俺のだから」
 言葉とともに
「とあさっ、んっ……」
 キスをされる。

 唇をはむっと噛まれ、チュッと音が鳴る。

 繰り返すうちに
「ふっ、んん……」
 舌が絡まる。
 唇が湿り、キスだけで気持ちが良くて、満たされて、頭が働かなくなる。

「あの。ちょっと……。ひゃあっ」

 首筋にチュッとされ、くすぐったい。

「私が好きなのは、透空さんだけですっ」

 これ以上はヤバい。変な気分になって、欲求に耐えられなくなる。

「ああ。わかってる」

 わかってる?なのにどうして?

「……。ごめん。やっぱり雫羽のことになると余裕ない。高木には必要以上に近づくなよ。あいつ、何考えてるかわからないから」

 押し倒された状態で
「わかったな?」
 念を押された。

 こんな状態だから
「はい」
 素直に従うしかないじゃないか。

 自分の家に帰り、一人になる。
 さっきまで透空さんがとなりにいてくれたんだ。

 寂しい、空虚感を感じる。
 心が空っぽになってしまった、そんな感覚。
 
 明日になれば、病院の中で会えるかもしれないのに。恋愛ってやっぱり心臓に悪いな。

 キスをされた首筋に触れてみる。
 感触、思い出すとドキドキしちゃう。
 普通に男女の仲にまでなっているのに。

 透空さんがカッコ良すぎなんだよ。
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