天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
「幸せだなって思って」

 私の言葉に何度か瞬きをした彼だけど
「そうだな。俺もそう思う」
 フッと笑ってくれる透空さんを見て、ずっとこの時間が続けば良いのにって思っちゃった。

 ゆっくり透空さんと会える日はいつになるんだろう。

「あ、透空さん。髪の毛、はねてます」

「え、マジ?直して」

 私は透空さんの髪の毛に触れ、髪の毛の流れを直した。

「シャワー浴びたんだけど。慌てたから変な風にドライヤーかけちゃったかも。ありがとう」

「ちょっと気になっただけです。透空さんはカッコ良いから、それもオシャレに見えますよ」

 私の言葉を聞いたあと、透空さんは手で顔を隠している。やばい、変なこと言っちゃった。

「ごめんなさい。気持ち悪かったですか?」

「……。いや、嬉しいだけ。てか、恥ずかしい」

 透空さんは耳まで真っ赤にしてる。可愛い。
 透空さんのことわかってきたけど、どこでテレてくれるのとかはまだつかめない。 
 
 あんなに大胆なことを言ってくるくせに、テレるツボは意外と小さなところだったりする。
 病院の中ではこんな透空さんを見ることができないから、新鮮。私と付き合ってからも、他の人には変わらず冷たいって誰かが言ってた。
 本当はこんなに優しい人なのに。
 なんでもできる人なんていない。
 透空さんの不器用なところなのかも。

・・・・・

 二人のことを遠くから見つめる目線があった。
 それは二人を応援するような眼差しではなく、憎しみと嫉妬、憎悪が混ざったもの。
 ギリギリと歯を噛みしめるその姿は、誰が見ても平和なものではない。

「今度は結ばれると思ったのに。また邪魔ができた。どうしてうまくいかないの。こんなにも愛しているのに。あなたのことをずっと……。《《また》》消さなきゃ。彼は私のもの」

 彼女は長い独り言を呟き、二人のことをずっと陰から見つめていた。
 心に決めた恐ろしい計画を考えながら。

・・・・・
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