天才外科医からの求愛〜傷跡ごと甘く癒されて〜
ハハッと私の顔を見て透空さんは笑っている。
「どうして透空さんは涙が出ないんですかっ?最後、悲しくなっちゃいました」
いろんな困難を乗り越えて結婚した夫婦が、最後は夫が病死してしまい、夫のことを思い出しながらも強く生きていく妻の姿が描かれた感動の恋愛ストーリーだった。
やっと幸せになれたと思ったのに。
「っ……。透空さんは、どこにも行かないで……。くださいね……?」
鼻をすすってしまう。
私、今、酷い顔しているんだろうな。
「っ……。おい、雫羽。それ、狙って言ってんの?いや、天然か」
透空さんは、はぁと息を吐いて顔を赤くしている。
「変なこと言いました?」
「いや。可愛い。嬉しかった。俺はずっと一緒にいるから。安心して。雫羽が死ぬ時は、俺も……」
トクンと胸の音が鳴る。私が死ぬ時は一緒。たしかに死ぬのは怖い。
一人だったら尚更怖いと思う。
だけど透空さんも一緒だと思うと、不謹慎かもしれないけど怖くはなかった。
前にも同じようなこと、言ってくれたことがあったっけ。
「ありがとうございます」と伝えようとした時、透空さんは大きく目を見開き、何回も瞬きをしていた。
どうしたんだろう。
大きな眼を細め、どこかが痛そうな顔をしたのを見てしまった。
「どうしたんですか?どこか痛いんですか?」
私が声をかけると
「いや……。なんでもない。大丈夫」
そう言うと、彼はギュッと私を抱きしめた。
「雫羽。帰る前にもう一回抱いて良い?」
「へっ?」
透空さんはひょいっと私を持ち上げ、寝室へ連れて行く。
そんなに太くもない腕なのに、どこにこんな力があるんだろう。
「透空さん!降ろしてくださいっ!重いからっ、腕折れますよ?」
「誰に言ってんだよ。俺、外科医なんだけど。骨が折れそうかどうかなんて判断できるから」
ベッドに優しく降ろされ、そのまま押し倒される。
「んっ……」
首筋にチュッとされた。
そのあとは
「あっ、あぁ。もうとめてくださいっ」
長い愛撫が続き、私はもう何回も果てているのに、なかなか彼が離してくれない。
「だめ」
鋭い眼光に上から見下ろされ、またドキッと身体が反応する。
「雫羽……」
彼が私の名前を呼ぶ音が耳の中に残る。
ギュッと手を伸ばすと彼がいてくれて、何度もキスしてくれた。
愛されてるってこういうことを言うんだろうな。ずっと透空さんと一緒にいたい。
一か月後――。
透空さんとの関係は変わらず、時間が合えば一緒にお昼を食べている。
院内でも付き合っているという噂が広がった。恋愛禁止ではないし、注意されることもない。最初はまわりの目線が怖かったけれど、だんだんと慣れていった。
「あれ?今日も来たの?」
「はい。時間が合いそうだったんで」
私に話しかけてくれたのは、外科医の高木先生だ。私が透空さんを探していると、気軽に声をかけてくれる。
「ねぇ。彼氏としての風見先生ってどんな感じ?」
「俺様なところはありますが、優しいですよ」
「えっ。そうなの?想像できない」
高木先生はうーんと想像しているみたいだけど、うまく想像できないようで目を瞑っている。
「雫羽!」
私が高木先生と医局前で会話をしていると透空さんの声が聞こえた。
「何を話してんの?」
透空さんはギラっと高木先生に冷たい眼差しを向ける。
「どうして透空さんは涙が出ないんですかっ?最後、悲しくなっちゃいました」
いろんな困難を乗り越えて結婚した夫婦が、最後は夫が病死してしまい、夫のことを思い出しながらも強く生きていく妻の姿が描かれた感動の恋愛ストーリーだった。
やっと幸せになれたと思ったのに。
「っ……。透空さんは、どこにも行かないで……。くださいね……?」
鼻をすすってしまう。
私、今、酷い顔しているんだろうな。
「っ……。おい、雫羽。それ、狙って言ってんの?いや、天然か」
透空さんは、はぁと息を吐いて顔を赤くしている。
「変なこと言いました?」
「いや。可愛い。嬉しかった。俺はずっと一緒にいるから。安心して。雫羽が死ぬ時は、俺も……」
トクンと胸の音が鳴る。私が死ぬ時は一緒。たしかに死ぬのは怖い。
一人だったら尚更怖いと思う。
だけど透空さんも一緒だと思うと、不謹慎かもしれないけど怖くはなかった。
前にも同じようなこと、言ってくれたことがあったっけ。
「ありがとうございます」と伝えようとした時、透空さんは大きく目を見開き、何回も瞬きをしていた。
どうしたんだろう。
大きな眼を細め、どこかが痛そうな顔をしたのを見てしまった。
「どうしたんですか?どこか痛いんですか?」
私が声をかけると
「いや……。なんでもない。大丈夫」
そう言うと、彼はギュッと私を抱きしめた。
「雫羽。帰る前にもう一回抱いて良い?」
「へっ?」
透空さんはひょいっと私を持ち上げ、寝室へ連れて行く。
そんなに太くもない腕なのに、どこにこんな力があるんだろう。
「透空さん!降ろしてくださいっ!重いからっ、腕折れますよ?」
「誰に言ってんだよ。俺、外科医なんだけど。骨が折れそうかどうかなんて判断できるから」
ベッドに優しく降ろされ、そのまま押し倒される。
「んっ……」
首筋にチュッとされた。
そのあとは
「あっ、あぁ。もうとめてくださいっ」
長い愛撫が続き、私はもう何回も果てているのに、なかなか彼が離してくれない。
「だめ」
鋭い眼光に上から見下ろされ、またドキッと身体が反応する。
「雫羽……」
彼が私の名前を呼ぶ音が耳の中に残る。
ギュッと手を伸ばすと彼がいてくれて、何度もキスしてくれた。
愛されてるってこういうことを言うんだろうな。ずっと透空さんと一緒にいたい。
一か月後――。
透空さんとの関係は変わらず、時間が合えば一緒にお昼を食べている。
院内でも付き合っているという噂が広がった。恋愛禁止ではないし、注意されることもない。最初はまわりの目線が怖かったけれど、だんだんと慣れていった。
「あれ?今日も来たの?」
「はい。時間が合いそうだったんで」
私に話しかけてくれたのは、外科医の高木先生だ。私が透空さんを探していると、気軽に声をかけてくれる。
「ねぇ。彼氏としての風見先生ってどんな感じ?」
「俺様なところはありますが、優しいですよ」
「えっ。そうなの?想像できない」
高木先生はうーんと想像しているみたいだけど、うまく想像できないようで目を瞑っている。
「雫羽!」
私が高木先生と医局前で会話をしていると透空さんの声が聞こえた。
「何を話してんの?」
透空さんはギラっと高木先生に冷たい眼差しを向ける。