女神アフディーの初恋
次に二人を待ち受けていたのは、みずみずしい沼地でした。
「食いしん坊のウサギ」だけは、何食わぬ顔でひょいひょいと渡りきり、対岸の木から垂れる蔦(つた)をムシャムシャと食べ始めています。
「……よし、行くぞ」
アロンが一歩踏み出すと、足がズブズブと沈み込みました。
一歩抜くたびに重たい泥がまとわりつき、なかなか前へ進めません。
「私だって、これくらい……」
負けじと足を踏み入れたアフディー様でしたが、次の瞬間、バランスを崩して前のめりに転倒。沼に両手をつき、跳ね上がった泥水で顔を真っ黒に汚してしまいました。
すかさず手で泥水を拭うと、手についた泥で、更に顔を汚します。
「あはははっ。なんだよその顔、真っ黒じゃないか」
腹を抱えて笑ったアロンでしたが、笑いすぎた拍子にバランスを崩し、派手に尻もちをつきました。跳ね返った泥が、彼のシャツを大袈裟に汚します。
「何よ。 アロンだって泥だらけじゃないの」
その光景を見下ろしながら、「情熱的な青い鳥」が翼を広げて謳(うた)い上げます。
「おお、なんという分かち合い。泥を分け合い、苦難を共にする。これぞ、魂が純白である者にしかできぬ行為。今まさに輝いて見えますぞ」
「「どこがだよ!」」
二人は声が揃うと、お互いのひどい姿を見合わせ、今度は二人で大きな笑い声を森の中に響かせました。
「食いしん坊のウサギ」だけは、何食わぬ顔でひょいひょいと渡りきり、対岸の木から垂れる蔦(つた)をムシャムシャと食べ始めています。
「……よし、行くぞ」
アロンが一歩踏み出すと、足がズブズブと沈み込みました。
一歩抜くたびに重たい泥がまとわりつき、なかなか前へ進めません。
「私だって、これくらい……」
負けじと足を踏み入れたアフディー様でしたが、次の瞬間、バランスを崩して前のめりに転倒。沼に両手をつき、跳ね上がった泥水で顔を真っ黒に汚してしまいました。
すかさず手で泥水を拭うと、手についた泥で、更に顔を汚します。
「あはははっ。なんだよその顔、真っ黒じゃないか」
腹を抱えて笑ったアロンでしたが、笑いすぎた拍子にバランスを崩し、派手に尻もちをつきました。跳ね返った泥が、彼のシャツを大袈裟に汚します。
「何よ。 アロンだって泥だらけじゃないの」
その光景を見下ろしながら、「情熱的な青い鳥」が翼を広げて謳(うた)い上げます。
「おお、なんという分かち合い。泥を分け合い、苦難を共にする。これぞ、魂が純白である者にしかできぬ行為。今まさに輝いて見えますぞ」
「「どこがだよ!」」
二人は声が揃うと、お互いのひどい姿を見合わせ、今度は二人で大きな笑い声を森の中に響かせました。