女神アフディーの初恋
 ゼオスは緊迫した表情で「ハッピーニューイヤーの老眼鏡」をかけたまま、近くにいた神々と顔を合わたのち、アフディー様に訳を問われました。

「何故じゃ。なぜ成人の姿になれぬのじゃ」

「それは……大人になると、つまみ食いもできませんし、忌々しいピーマンを残すことだって許されません。お菓子を食べながら寝転ぶことも、失敗をパパのせいにして逆ギレすることだって」

 ゼオスは一粒の汗を流すと呟くように口を開きました。

「……それは、子供であっても許されることではないだろう」

 その言葉に、周囲の神々は「そこは、大人になれない理由のほうを叱るところでは?」と表情にだしていましたが、もちろん口に出せる者は一人もいませんでした。

 困り果てるゼオスに、隣に座る妻の女神へローラは、宥めるように言いました。

「アフディーはまだ幼いゆえ、恋というものを知らないのです。もう時期『愛』という素晴らしくも辛い感情を知ってからでも、成人の姿になるのは遅くはないと思いますよ」

 アフディー様は立ち上がり、ゼオスに向け深いため息をつくと、背を向けて歩き出しました。そして途中でわざとらしく振り返り、見せつけるようにさらにもう一度ため息をついてから、その場を立ち去っていきました。

 その態度を見てゼオスは、困り果てました。

「まったく」と呟くと沈黙します。
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