百年前と百年後を生きる君へ
「そ、そうです!あの、これ!これが証拠です…」


傍に置いていた赤毛のアンを、穴から差し出す。


「やっぱり。電車で同じ栞がちらりと見えた気がして、もしかしてと思ったんです。またお会いしましたね」


一度でなく、二度も拾ってもらい会話ができるなんて…。

夢にも思っていなかった。


「あれから赤毛のアンが読みたくなって学校の図書室で探してみたんですけど、あいにく貸出中で。ついてないです」

「そうなんですか…」


いつも見ていただけの彼の指が、パラパラと私の赤毛のアンをめくっている。


「あの、もしよかったらその本読みますか…?」


言ってしまってから、ハッと馴れ馴れしかったかもしれないと後悔をする。


「人のものが嫌とかだったら、全然!」

「いいんですか?それじゃあお言葉に甘えて、お借りしてもいいですか?」

「え、あ、はい…!ぜひ…」
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