【長編版】天才幼女セラフィーヌ、ツンデレ辺境伯様とただいま領地改革中!
屋敷へ戻ってすぐに、私はマルタにキッチンを借りたいと頼み込んだ。
「まさか本当にお嬢様がおひとりで……?」
「うん!まずはりんごのジャムからつくってみようとおもって!」
マルタは少し困ったように眉を下げた。
「本当でしたら私もお手伝いしたいのですが……」
遠くから、エリクとエリザの泣き声が重なるように聞こえてくる。
「マルタはふたりのところに行ってあげて。あとはセラがやれるから!」
「ですが、包丁と火は危のうございますよ」
「だいじょうぶ!ちゃんと気をつけるから」
一応学校で家庭科の授業は習ってきてるし、包丁で野菜を切ったり鍋に火をかけるぐらいはできる。しかも作るのは難しい料理じゃなくて、果物や野菜を煮たり潰すだけ。工程はいたって単純だ。それくらい自炊経験がほとんどない私でもできるはず。
「ねえマルタ、ふたりはなにを食べるの?」
「まだミルクが中心ですが、最近は柔らかく潰した野菜も少しずつ口にしていただいています」
「ペーストみたいなもの?」
「ええ。舌で潰す必要がないくらい滑らかにしたものです」
そう言って、すでに下ゆでを済ませたカボチャを見せてくれる。じゃあ今日はジャム作りと、双子たちの離乳食を作ることにしよう。
マルタはしばらく迷った末、深く息をついた。
「……わかりました。かまどの火は私が付けますから、お嬢様は決して触らないでくださいませ。それから包丁も、こちらの小さなものだけをお使いくださいね?」
「うん、まかせて!」
「うあぁああん……!!」
「ふぎゃあああああ!!」
その時、聞こえてくる双子の泣き声がさらに大きくなった。
「なにかございましたら、すぐに私をお呼びくださいね?」
「うん、わかった!」
双子の元へ向かうマルタを見送って、私はさっそく腕まくりをする。
まずは、マルタが倉庫から持ってきてくれたりんごを手に取った。見た目は少し不揃いで、表面に小さな傷もある。でも、傷んだ部分を取り除けば味にはまったく問題がない。
「えっと、まず皮をむくにはピーラーよね。えっと、ピーラーは……」
ない。キッチンの引き出しをあちこち開けてみたけれど見つからない。
(もしかしてこの世界ってピーラーがないの!?それは困る!包丁で皮をむいたことなんてないのに!)
仕方なく包丁の皮むきに挑戦してみるけれど、全然うまくむけない、というより、勢いで指を切りそうでめちゃくちゃ怖い。元の世界では当然だと思っていたものが、とてつもない文明の利器だったのだとわかる。
「皮ごと細かく切って煮ちゃえば食べられるよね?それに、皮のほうが栄養あるって聞いたことあるし……」
私は無理やり納得させて、りんごを細かく切って鍋に入れた。それから水と砂糖を投入する。
「砂糖はどれくらい入れたらいいんだろう?」
とりあえずスプーンで何杯か適当に入れてみる。商品開発に試行錯誤はつきものだ。私は踏み台の上に立って、木べらで鍋の中をゆっくりとかき混ぜていく。しばらくすると、りんごが少しずつ柔らかくなり、甘い香りがキッチンいっぱいに広がっていく。
「うん、初めてにしては順調じゃない?このまま煮詰めればジャムになるはず」
まだ水分が多いので、もうしばらく煮詰める必要がありそうだ。途端にやることがなくなって手持ち無沙汰になる。
「まさか本当にお嬢様がおひとりで……?」
「うん!まずはりんごのジャムからつくってみようとおもって!」
マルタは少し困ったように眉を下げた。
「本当でしたら私もお手伝いしたいのですが……」
遠くから、エリクとエリザの泣き声が重なるように聞こえてくる。
「マルタはふたりのところに行ってあげて。あとはセラがやれるから!」
「ですが、包丁と火は危のうございますよ」
「だいじょうぶ!ちゃんと気をつけるから」
一応学校で家庭科の授業は習ってきてるし、包丁で野菜を切ったり鍋に火をかけるぐらいはできる。しかも作るのは難しい料理じゃなくて、果物や野菜を煮たり潰すだけ。工程はいたって単純だ。それくらい自炊経験がほとんどない私でもできるはず。
「ねえマルタ、ふたりはなにを食べるの?」
「まだミルクが中心ですが、最近は柔らかく潰した野菜も少しずつ口にしていただいています」
「ペーストみたいなもの?」
「ええ。舌で潰す必要がないくらい滑らかにしたものです」
そう言って、すでに下ゆでを済ませたカボチャを見せてくれる。じゃあ今日はジャム作りと、双子たちの離乳食を作ることにしよう。
マルタはしばらく迷った末、深く息をついた。
「……わかりました。かまどの火は私が付けますから、お嬢様は決して触らないでくださいませ。それから包丁も、こちらの小さなものだけをお使いくださいね?」
「うん、まかせて!」
「うあぁああん……!!」
「ふぎゃあああああ!!」
その時、聞こえてくる双子の泣き声がさらに大きくなった。
「なにかございましたら、すぐに私をお呼びくださいね?」
「うん、わかった!」
双子の元へ向かうマルタを見送って、私はさっそく腕まくりをする。
まずは、マルタが倉庫から持ってきてくれたりんごを手に取った。見た目は少し不揃いで、表面に小さな傷もある。でも、傷んだ部分を取り除けば味にはまったく問題がない。
「えっと、まず皮をむくにはピーラーよね。えっと、ピーラーは……」
ない。キッチンの引き出しをあちこち開けてみたけれど見つからない。
(もしかしてこの世界ってピーラーがないの!?それは困る!包丁で皮をむいたことなんてないのに!)
仕方なく包丁の皮むきに挑戦してみるけれど、全然うまくむけない、というより、勢いで指を切りそうでめちゃくちゃ怖い。元の世界では当然だと思っていたものが、とてつもない文明の利器だったのだとわかる。
「皮ごと細かく切って煮ちゃえば食べられるよね?それに、皮のほうが栄養あるって聞いたことあるし……」
私は無理やり納得させて、りんごを細かく切って鍋に入れた。それから水と砂糖を投入する。
「砂糖はどれくらい入れたらいいんだろう?」
とりあえずスプーンで何杯か適当に入れてみる。商品開発に試行錯誤はつきものだ。私は踏み台の上に立って、木べらで鍋の中をゆっくりとかき混ぜていく。しばらくすると、りんごが少しずつ柔らかくなり、甘い香りがキッチンいっぱいに広がっていく。
「うん、初めてにしては順調じゃない?このまま煮詰めればジャムになるはず」
まだ水分が多いので、もうしばらく煮詰める必要がありそうだ。途端にやることがなくなって手持ち無沙汰になる。